上半期のGDP成長率は6.8%、年間目標達成に向け順調な推移
(ベトナム)
ハノイ発
2019年07月16日
ベトナム統計総局は6月28日、ベトナムの2019年上半期の実質GDP成長率(推計値)を前年同期比6.8%と発表した(表参照)。上半期の成長率としては、前年の7.1%を下回るものの、2011年以降で2番目に高い成長率となった。業種別にみると、農林水産業が2.4%、鉱工業・建設業が8.9%、サービス業が6.7%だった。
農林水産業では、水産業がこの9年間で最も高い6.5%の成長となったが、農業は天候不順やアフリカ豚コレラの感染拡大の影響で1.3%の成長にとどまった。鉱工業・建設業では、工業が9.1%と堅調な成長を維持している。そのうち製造業の成長率は11.2%で、前年の12.9%からやや鈍化したものの、2桁成長を維持しており、引き続き経済成長の原動力となっている。
GDPの産業別構成比は、農林水産業13.6%(前年同期の確報値:14.1%)、鉱工業・建設業34.2%(33.8%)、サービス業42.0%(41.8%)、税金(補助金を除く)10.2%(10.2%)となっている。前年同期と比べて農林水産業の割合が減少した分、鉱工業・建設業とサービス業が増加した。
2019年の経済展望について、統計総局の経済担当者は「世界経済は減速の見通しで、国内では農業復調の兆しがみえないものの、製造業のさらなる成長、消費需要の増加、欧州との自由貿易協定(EVFTA)締結による貿易促進、農業からサービス業への産業構造の変化など前向きな要素があるため、年間のGDP成長率6.6~6.8%という目標の達成は可能だ」と述べた。
消費者物価指数(CPI)の上昇率(推計値)は前年同期比2.6%で、この3年間で最も低かった。主な要因として、統計総局はまず食品価格の下落を指摘し、アフリカ豚コレラで豚肉の消費量が落ち込んだことによる価格下落や、コメの供給過多による価格下落を挙げた。電気料金値上げの影響が懸念されたが、医療費の値上げ抑制、ガス・ガソリン価格の値下げなどもCPI上昇を抑える要因となった。
(グエン・ラン)
(ベトナム)
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