6月のインフレ率は2.7%、年間インフレ率は半年ぶりに低下

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年07月25日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は7月16日、6月の月間インフレ率(CPI上昇率)が2.7%と発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。為替の安定や政府の価格統制政策(2019年4月23日記事参照)により、月間インフレ率は3月をピークに漸減している。年率(過去12カ月の累積)では55.8%となり、1月以降続く上昇に歯止めがかかった(図参照)。

図 インフレ率の推移

月間インフレ率を項目別にみると、携帯電話料金の値上げが影響し、通信(7.1%)の上昇率が最も高かった(表参照)。5月に4.0%と高水準だった住宅・光熱・その他燃料は、政府が5月29日に政令381/2019号を公布し、燃料価格の上昇を鈍化させる目的で液体燃料にかかる税金の引き上げを遅らせたことも影響し、2.7%まで低下している。娯楽・文化(3.7%)、医療・健康(3.6%)、家財道具・住宅管理(3.4%)は3.0%台の上昇率となったが、そのほかの項目は1.0~2.0%台にとどまった。

表 6月の産業別インフレ率

中央銀行が7月2日に発表した民間エコノミストらによる最新の経済見通しの集計中央値(REM)では、7月のインフレ率は2.5%、2019年末の見通しは40.0%となっている(2019年7月9日記事参照)。7月4日に国会に提出された2020年予算案では、2019年のインフレ率は40.3%、IMFが7月15日に発表した第4次審査に関するスタッフレポートでは、40.2%と予想されている。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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