中国の対米輸出(2019年1~5月)は前年同期比8.4%減に、データで見る米中貿易摩擦

(中国、米国)

中国北アジア課

2019年07月11日

中国の2019年1~5月の主要国・地域別輸出は、前年同期比0.3%増だった(表1参照)。上位5カ国・地域では、米中貿易摩擦の影響で米国が8.4%減となり、表中には示さないものの、減少率は上位20カ国・地域の中でも最大だった。2019年第1四半期(1~3月)の前年同期比8.8%減(2019年6月24日記事参照)と比較すると、対米輸出の減少幅は0.4ポイント縮小した。ちなみに、4月と5月の合計は前年同期比7.9%減となり、今後、この縮小傾向の流れが継続するか注目される。

表1  中国の主要国・地域別輸出(上位5カ国)

中国の対米輸出(2019年1~5月)8.4%減の詳細について解説する。

表2は、中国の米国向け輸出(2019年1~5月)を、金額の多い順に並べ、前年同期比減となった上位10品目を示したものだ。減少幅が最大だったのは機械部品・付属品(847330)の53.8%減で、HSコード8桁ベースで5品目が追加関税措置の対象(第1弾および第3弾)だった。寄与度もマイナス1.6ポイントと最も高かった。

追加関税措置が当面の間、延期されている第4弾候補を除く品目では、腰掛け(940161、第3弾として8品目該当)が15.7%減、スタティックコンバーター(850440、第3弾として16品目該当)が11.6%減、金属製家具・部品(940320、第3弾として17品目該当)が7.0%減、などとなった。

表2 中国の米国向け輸出(2019年1~5月)

表1、2には示さないが、2019年1~5月の対米貿易黒字は1,104億4,500万ドルとなり、2018年1~5月の1,058億1,600万ドルと比較すると、貿易黒字は4.4%増加した。

(水谷俊博)

(中国、米国)

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