中国からの代替地の輸入が増加、データで見る米中貿易摩擦

(中国、米国)

中国北アジア課

2019年06月24日

2019年第1四半期(1~3月)の中国から米国への輸出は前年同期比8.8%減となった。添付資料の表は輸出額を多い順に並べ、前年同期比減となった上位5品目を示したものだ。スマートフォン(HSコード:851712)や機械部品・付属品(847330)など、電子機器や機械類の減少幅が大きい。

これらの品目は、米国の中国からの輸入も同様に減少したが、逆に米国が輸入を増やした国・地域には、ベトナム、台湾、韓国、日本などが並ぶ。特にスマートフォンは、ベトナムが前年同期比2.7倍、機械部品・付属品は台湾が2.9倍となるなど、増加幅が大きい。

履物や腰掛(アップホルスター)なども米国の中国からの輸入が減少した。一方、マレーシア、ミャンマー、カンボジアなど、ベトナム以外のASEAN諸国からの輸入が増えている。

現在、米国は第4弾として、対中輸入額3,000億ドル相当の3,805品目に最大25%の追加関税を賦課するとしている。その中には、スマートフォン、パソコン、デジカメなどの電子機器に加え、玩具、靴、衣類など労働集約型の消費財も数多く含まれる。今後、第4弾への課税賦課の規模によっては、企業のサプライチェーンに大きな影響を与える可能性がある。

(水谷俊博)

(中国、米国)

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