北京市の上半期GRP成長率は6.3%、ナイトタイムエコノミー振興で消費拡大図る

(中国)

北京発

2019年07月31日

北京市統計局の発表(7月17日)によると、同市の2019年上半期の域内総生産(GRP)は、前年同期比6.3%増の1兆5,212億5,000万元(約24兆3,400億円、1元=約16円)で、伸び率は全国と同じだった(2019年7月24日記事参照)。産業別では、第一次産業が17.5%増、第二次産業が5.0%増、第三次産業が6.5%増となった(表参照)。同市統計局は上半期の経済について、「安定を維持しており、経済成長の質も向上しつつある」と評価した。

表 北京市の2019年上半期の主要経済指標

第三次産業のうち、金融、情報サービス、科学技術サービス業など優位性のある産業のGRP成長への寄与率は67.0%に達し、経済全体を牽引した。

工業生産増加額(付加価値ベース、年間売上高2,000万元以上の企業が対象)は前年同期比3.5%増で、伸び率は前年同期から4.8ポイント低下した。重点産業をみると、電力・熱生産・供給業(8.7%増)、医薬製造業(6.3%増)、コンピュータ・通信・その他の電子設備製造業(3.1%増)、自動車製造業(1.1%増)が増加した。また、ハイエンド産業のうち、ハイテク製造業、戦略的新興産業はそれぞれ、6.0%増、5.6%増となった。

固定資産投資は前年同期比14.7%増で、うち不動産投資は16.4%増だった。リース・ビジネスサービス業(3.9倍)、文化・スポーツ・娯楽業(95.1%増)、科学研究・技術サービス業(93.8%増)への投資が高い伸びを示した。

消費を示す社会消費品小売総額は前年同期比5.4%増の5,687億5,000万元となり、伸び率は前年同期(4.4%)より若干回復したが、全国(8.4%)を3.0ポイント下回った。うち、インターネット小売額は25.1%増の1,495億8,000万元となった。また、住民1人当たりの可処分所得は8.9%増の3万3,860元だった。

消費の伸びが依然として低水準にとどまっていることを受けて、市政府は対策を打ち出している。北京市商務局は7月12日、「北京市のナイトタイムエコノミーのさらなる発展による消費拡大の促進措置に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。2021年末までに夜間のランドマーク(三里屯、国貿など4カ所)、商業地区および住宅地区を整備することを目標に定めたほか、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、観光スポットなどの夜間営業時間の延長を奨励する方針を示した。また、深夜まで楽しめる飲食街(深夜食堂)や夜市を整備する。さらに、ナイトタイムエコノミーを促進するため、市内のランドマークや主要なショッピングモール、コミュニティー周辺において駐車場やタクシーなどの配車量を増やし、深夜バスや地下鉄の運行も強化するとしている。

(趙薇)

(中国)

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