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米政府、ファーウェイなどの機器利用の企業との契約を禁止する国防授権法889条の公聴会開催

(米国)

ニューヨーク発

2019年07月29日

米国防省、連邦調達庁、米航空宇宙局(NASA)は7月19日、2019会計年度国防授権法(NDAA)889条の履行にかかる公聴会を開催した。同法889条は、米国の政府調達に制限を設けるもので、米政府機関に対し、(1)2019年8月13日以降の華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)、海能达通信(ハイテラ)、海康威視数字技術(ハイクビジョン)、大华(ダーファ)の5社(関連企業を含む)が提供する通信・監視機器やサービスの調達禁止、(2)2020年8月13日以降にこれらの製品・サービスを主要なシステムまたは重要なテクノロジーとして利用している企業との契約・取引を禁止している(注)。今回の公聴会では、(2)に特に焦点を当てて行われた。

総じて参加者は、NDAA889条の適用範囲に関して、より透明性のある明確な定義が必要だと訴えた。セキュリティー対策企業で構成される米業界団体のセキュリティー産業協会は、889条の解釈について、米政府との契約内容において対象となる中国製品の使用が制限されるのは納得がいくが、米政府と契約している事業者が、対象となる中国機器を用いて米政府と関係のない民間事業者へサービスを提供することは禁じるべきでないとの見解を示した。また、ビデオ監視機器のインターネットへの接続は使用者の任意で設定可能で、実際に多くの機器はインターネットにつながれておらず、情報流出につながる危険性は低いと指摘した。

889条の対象となる中国企業の監視機器を用いて、政府機関、民間事業者にサービスを提供している中小企業は、889条の適用範囲が明確に示されていないと懸念を示し、早急なガイドラインの設置を求めた。また、仮に民間事業者に対する対象中国製品を利用したサービスも889条の適用範囲となる場合、政府との契約を継続するためには既存設備を入れ替える必要があり、中小企業にとっては膨大なコスト負担となり、深刻な被害をもたらすと訴えた。

規制対象となっている無線機器製造のハイテラは、同社の製品・サービスが米国の通信基盤を介さず、第5世代移動通信システム(5G)とも関連のないもので、米国の国家安全保障を脅かしてはいないと主張した。また、889条が定義する国家安全保障の懸念となり得る企業や製品の基準を明確にすべきだと述べ、公共のネットワークを介さない、プライベートネットワークや無線を介する通信機器は政府調達で制限されるべきでないと主張した。さらに国土安全保障省が、同社の米国子会社であるパワートランクによる国防総省の顧客への製品販売を継続して許可している例を挙げ、省庁間の対応の一貫性の欠如を指摘し、市場で混乱が起こっていると述べた。その上で、国防総省や通信規制を所管する連邦通信委員会(FCC)などの関係省庁が連携を図り、889条の定義を明確化すべきとの見解を示した。

(注)特定5社のほか、国防長官が指定する中国政府による支配や関係がある企業が提供する電気通信・ビデオ監視機器またはサービスも規制対象となる。NDAAによる政府調達の制限については、2019年5月15日付地域・分析レポート参照

(須貝智也)

(米国)

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