補助金廃止により燃料価格を引き上げ、交通機関も値上げ

(エジプト)

カイロ発

2019年07月10日

エジプト政府は7月5日、燃料への補助金を撤廃し、新たな料金体系を決定した。燃料補助金の撤廃は、アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領の就任以降、IMFにより課せられた経済再生プログラムの1つで、5年間で段階的に補助金を削減・撤廃することとなっていた。主な改定内容は表のとおりで、92オクタンガソリンの場合、約18.5%の値上げとなる。

表 主な燃料価格の改定表

エルシーシ大統領の就任後、2017年にスタートした経済再生プログラムにより、エジプト政府は付加価値税(VAT)などの導入や、エネルギー補助金の削減などを実行してきており、これまで年2回のペースで行われてきたIMFの5回のレビューミッションでも高い評価を受けている(2019年5月27日記事参照)。

一方で、今回の燃料価格の引き上げに伴い、タクシーやバスなど公共交通機関やウーバーなども料金改定を決定した。いずれ消費者物価へも影響するとみられており、市民生活の負担増も懸念される。

(常味高志)

(エジプト)

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