産業総合展イノプロム、2019年のパートナーカントリーはトルコ

(ロシア、トルコ)

モスクワ発

2019年07月24日

ロシア・エカテリンブルクで7月8~11日、ロシア最大級の産業総合博覧会「イノプロム2019」が開催された。メインテーマは前年に引き続き「デジタル製造」で、グローバル企業を中心に、ロボットやIoT(モノのインターネット)技術、自動化技術などを活用して製造現場の効率化を図る機械設備、ソフトウエアなどの展示が目立った。

2019年のパートナーカントリーはトルコで、同国のパビリオンではロボットや産業機械、自動車関連の企業に加え、消費財や観光分野などの幅広い産業の展示が行われた。会場内ではロシア・トルコ産業フォーラムも開催され、2国間の産業連携や投資・貿易促進について議論された。また、会期中に企業によるプロジェクトの覚書も締結された。トルコ自動車部品製造大手ジョシュクンオズ・ホールディングはPSAプジョー・シトロエンと三菱自動車の合弁工場PCMAルスへ小型商用車向けの中・大型の車体プレス部品を納入することで同社と合意し、ロシアのデニス・マントゥロフ産業商務相とトルコのムスタファ・バランカ産業技術相の立ち会いの下で覚書に署名した。部品はタタルスタン共和国のアラブガ経済特区にあるジョシュクンオズ・アラブガの工場(注)から供給される。また、建設や空港運営などを担うトルコの複合企業コズバグループとタタルスタン共和国投資開発局はカザン空港に貨物ターミナルを建設することで合意した。

写真 トルコパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

トルコパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

イノプロムと同じ会場では、アラブ首長国連邦(UAE)経済省と国連工業開発機関(UNIDO)の共催で、政府や産業界、民間有識者が集い、「製造業の未来」を議論する会合「世界製造業・産業化サミット(Global Manufacturing & Industrialization Summit:GMIS)」が7月9~11日に開催された。プーチン大統領は開会式に出席し、さらにイノプロムを視察した。

「イノプロム2019」には世界22カ国から600社以上が出展、パートナーカントリーのトルコをはじめ、15カ国がナショナルパビリオンを設置し、4万3,000人以上が来場した。日本からはジェトロが3年連続でジャパンパビリオンを設置し、全26社・機関(カタログ出展を含む)が出展した。イノプロムの2020年のパートナーカントリーはイタリアが予定されている(2019年7月9日記事参照)。

写真 ジャパンパビリオンなど、ナショナルパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンなど、ナショナルパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

(注)ジョシュクンオズ・ホールディング傘下のジョシュクンオズ・アラブガが運営するプレス部品工場。2014年8月から稼働。フォード・ソレルス(小型商用車生産を除き3月にロシア市場撤退表明)、ロシアのトラック製造大手カマズ、ダイムラーグループのメルセデス・ベンツに車体部品を供給している。

(戎佑一郎、大北祐)

(ロシア、トルコ)

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