米アップル、インテルのスマホ用モデム事業の大半を10億ドルで買収

(米国)

米州課

2019年07月26日

米国アップルは7月25日、米国インテルのスマートフォンモデム事業の大部分を買収することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。インテルが持つ知的財産権や設備、リース物件とともに、約2,200人のインテルの従業員がアップルに加わる。買収額は10億ドルで、この取引は規制当局などの承認を得て、2019年第4四半期(10~12月)に完了する見込みだ。

アップルは、現在保有している特許と、インテルから取得する無線技術に関する特許を組み合わせることで、携帯通信規格からモデムアーキテクチャーやモデム操作まで、1万7,000を超える無線技術の特許を取得することになる。なお、インテルは、PCやIoT(モノのインターネット)、自動運転車など、スマートフォン以外のアプリケーション用モデムを開発する機能を維持するとしている。

アップルのハードウエア技術担当シニア・バイス・プレジデントのジョニー・スロージ氏は声明で、「(今回の合意により)多くの優秀なエンジニアが当社の携帯電話技術グループに加わることになり、革新的な知的財産権を大量に取得したことで、将来の製品開発が促進され、当社はさらに差別化を進めることができる」と述べた。一方、インテルの最高経営責任者(CEO)のボブ・スワン氏は「今回の合意により、われわれが創出した知的財産やモデム技術を保持しながら、5G(第5世代移動通信システム)ネットワーク向けの技術開発に専念することができる」との声明を発表した。

(中溝丘)

(米国)

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