GMウズベキスタン、「ウズオート・モータース」に社名変更

(ウズベキスタン)

タシケント発

2019年07月11日

ウズベキスタンの乗用車組み立て地場大手のゼネラルモーターズ・ウズベキスタン(以下、GMウズベキスタン)は7月1日、社名を「ウズオート・モータース」に変更した。

2018年12月、ウズベキスタン側出資者のウズアフトサノアト(自動車産業公社)が本社工場株式のGM所有分(25%)を買い取り、100%ウズベキスタン側所有としていた。GMウズベキスタンは2008年3月に設立、2018年10月にはウズアフトサノアトとGMはアライアンスを締結し、国内での自動車組み立てとエンジン製造の継続、国内市場では「シボレー」ブランド10車種、輸出向けに「ラボン」ブランドの自動車販売を進めることで合意している。

「ウズオート・モータース」はウズベキスタン東部フェルガナ地方のアサカ市の本社工場(年産能力25万台)に加え、西部ホレズム州のピトナク市(4万台)、首都タシケント市(1万台)にそれぞれ工場を有している。従業員は1万人超。ウズアフトサノアトはエンジン組み立て企業「GMパワートレイン・ウズベキスタン」のGM所有株(52%)の買収交渉を進めていることを明らかにしている。

政府資本による唯一の自動車メーカーの存在と、高い関税に守られてきたウズベキスタンの自動車産業・市場について、今後の発展の方向性を探る作業が進められている。ウズベキスタン経済産業省は6月27日、大統領指示「2025年までのウズベキスタン共和国自動車産業発展コンセプト」の案をパブリックコメントに付した。コンセプトでは、国内自動車産業の問題点として、a.低い自動車普及率(モデルチェンジの少なさ、優遇クレジットなど拡販促進策の欠如など)、b.モデルごとの生産台数の少なさ(非効率な生産)、c.地場部品製造企業との協力関係の弱さ、d.輸出台数の縮小、e.低い利益率、f.技術者育成に向けた支援体制の欠如、g.国内市場での競争の欠如、などを挙げている。

一方、同コンセプトは、今後の施策として、a.大衆車を核としたモデルチェンジ、b.(外資参入も視野に入れた自動車製造における)段階的な競争原理の導入、c.地場の鉄鋼、ゴム、化学樹脂メーカーなどとの協力による地場調達率の向上、d.関税以外の手法による地場製造者の保護(輸入車に対する高額の廃車税の賦課や、製造から15年以上経過した自動車の輸入禁止など)、e.自国独自の基準から国際基準への移行(環境規制など)などを列記している。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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