メキシコの映画館最大手シネポリスが中東・アジアへの進出を加速

(メキシコ、中東、インド、インドネシア)

メキシコ発

2019年07月04日

メキシコで映画館最大手のシネポリス(Cinepolis)が、中東への進出を加速化させる。「ミレニオ」紙(7月1日)が掲載したミゲル・マイヤー最高執行責任者(COO)へのインタビュー記事によると、既に進出済みのバーレーンとオマーンに加え、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)に進出する。サウジアラビアでは、UAEのドバイに本社がある財閥Al Tayer Groupとの合弁でガルフ・エンターテイメントを設立し、今後3年間で63の映画館を開業する計画を進めている。UAEでは、ホテルやエンターテインメント事業などを展開するAl Hokair Groupと提携し、今後3年間で50の映画館開業を目指している。

また、インドでの事業展開も拡大する。インドでは既に60の映画館を経営しているが、今後3年間で70カ所の新規開業を計画しており、中東も含めたアジア地域におけるシネポリスの成長の中心地となる。さらに、インドネシアへの進出も検討している。2009年からインド展開を推進してきたシネポリス・インディア社長のハビエル・ソトマジョール氏が、アジアと中東での事業展開を率いる。

スクリーン数で世界3位の映画館運営会社

シネポリスは、1971年にミチョアカン州の州都モレリアでエンリケ・ラミレス氏が創業したメキシコ最大の映画館運営会社(設立当初の社名はオルガニサシオン・ラミレス)で、メキシコ市場では67.1%のシェアを有する。同社が6月に発表したファクトシートによると、シネポリスは5月末時点において世界15カ国で730の映画館(5,898のスクリーン)を運営し、スクリーン数では世界3位、入場者数では世界2位を誇る。海外展開にも積極的で、映画館の数で38.9%、スクリーンの数で36.0%、2018年の入場者数で35.2%がメキシコ国外のもの。中南米諸国やスペイン、米国のみならず、インドでは35都市で映画館を運営している。デジタル化に早くから着手していたため、現時点で運営する映画館は100%デジタルで、体感型(4D)のスクリーンも82ある。

(中畑貴雄、原大智)

(メキシコ、中東、インド、インドネシア)

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