パナマのコルティソ新大統領が就任、経済を重視した政策を提言

(パナマ、中国)

米州課

2019年07月02日

7月1日、パナマ市の大統領府において、ラウレンティノ・コルティソ・コエン氏がパナマ大統領に就任した。5月5日の大統領選挙で勝利した同氏は、野党の中道・民主革命党(PRD)から立候補し勝利した。任期は2019年7月1日から5年間。なお、パナマでは大統領の再選は憲法上認められていない(2019年5月7日記事参照)。

経済と社会政策を重視した提言

コルティソ大統領は就任宣言において、経済を重視した政策を提言した。まず7月中に、公共調達法(Ley de Contrataciones Públicas)と官民連携法(PPP法)の改正案を政府から議会へ提出する。これにより、インフラ投資を中心とした国際入札ルールの透明化を図るとともに、より多くの民間資本を活用した公共投資を実施し、財政支出の削減を図る。さらに、これらの法改正に向けて、今後数カ月のうちに憲法改正案も政府から議会へ提出するとした。

同大統領は、不動産と金融分野の政策についても言及し、若者の住宅購入を促すための不動産リース法(Ley del Leasing)を活用するとともに、今後18万バルボア(約1,944万円、1バルボア=約1ドル)を上限に住宅購入用特別金利を設ける。

また、パナマにおける貿易投資促進機関であるプロインベックス(PROINVEX)を外務省の管轄機関に編成し、プロパナマ(PROPANAMÁ)として機能を強化させることも発表された。

通商・外交では引き続き中国と関係を強化

コルティソ大統領は、フアン・バレーラ前政権時の2017年6月に国交を樹立した中国との関係を引き続き強化させていくもようだ。大統領の就任式前日の6月30日、在パナマの中国系ビジネス界の要人らと会談し、中国によるパナマへの投資拡大に期待すると述べた。さらに、2018年6月に中国と開始し、既に5回の実務者レベル会合が実施された自由貿易協定(FTA)交渉を、コルティソ政権においても継続する意向を示した。

(志賀大祐)

(パナマ、中国)

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