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EU、ノー・ディールに備える2019年度予算案を採択

(EU、英国)

ブリュッセル発

2019年07月11日

EU理事会は7月9日、英国がEUとの合意のない状態でEUを離脱(ノー・ディール・ブレグジット)した場合に備えた、緊急対策のための2019年度(暦年)予算執行措置案を採択外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同対策は合意なき離脱となった場合の影響を緩和することを目的として、研究や農業など幅広い分野への財政支援の断絶を防止するもの。離脱日以前に決定・契約した英国の企業や個人への(補助金拠出などの)財政措置を継続することを可能とする。ただし、英国が2019年度予算として合意しているEUへの拠出金負担を履行することが条件となる。

英国新政権の動きを牽制

EU理事会は今回の発表で、ノー・ディールに伴う混乱回避のための緊急対策の前提として「英国はEU側が必要とする監督・監査を受け入れなければならない」と指摘。英国側がEUへの拠出金負担を拒んだ場合、あるいは、これら監督・監査を行う中で、重大な(英国側の対応の)不備が確認された場合、EUは緊急対策を打ち切る方針を強調した。ノー・ディールに伴う激変緩和措置はEUとして講ずるが、そのためには英国にも応分の財政負担を求めるというのがEUの基本姿勢だ。

例えば、EUは農業分野において現在、共通農業政策(CAP)の枠組みで、英国の農業生産者に対する所得補償を行っている。ブレグジットに伴い、こうしたEUの特定産業に対する財政支援措置について、英国政府がどう対応するのか(後継・代替措置を独自に導入するのか)が問われている(2018年1月5日付Food & Agriculture」記事参照)が、EU側は支援継続の是非について、英国側がEUへの財政負担を継続するかどうかを基準に判断するということだ。

EU側は、EU予算を財源とする2019年のインフラ整備プロジェクトなどについても、英国政府が通年で財政負担を続ける限り、英国側の入札参加などを認める方針も示した。EUとしては、ブレグジットに伴う、英国側での混乱回避の道筋を提示しつつ、英国側のEU財政負担の継続を求めている。今後、発足が見込まれる(2019年6月21日記事参照)英国新政権の動き(財政負担の軽減や拒否など)を、EU側として牽制する意味があるものとみられる。

(前田篤穂)

(EU、英国)

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