製造業の低迷で上海市の上半期GRP成長率は5.9%

(中国)

上海発

2019年07月26日

上海市統計局は7月23日、2019年上半期の経済概況を発表した。域内総生産(GRP)の実質成長率は5.9%で、第1四半期(5.7%)から若干に回復したものの、2018年上半期(6.9%)に比べると減速感が強まっている(表参照)。

表 上海市の主要経済指標

産業別では、サービス業を中心とする第三次産業が9.1%増(前年同期より1.7ポイント上昇)と牽引したが、第二次産業は製造業の生産低迷で1.6%減となり、前年同期(5.8%増)のプラスからマイナスに転じた。

需要面をみると、インフラ投資(6.7%減)の縮小より、固定資産投資は5.0%増にとどまったが、工業投資は17.0%増と15カ月連続で2桁の成長を遂げた。特に新エネルギー車、集積回路などの大型投資が相次いでいるため、バイオ医薬産業(62.4%増)、自動車産業(54.9%増)、電子情報産業(46.0%増)への投資が目立った。また、対内直接投資(実行ベース)は13.9%増となり、バイオ医薬や人工知能(AI)など技術開発の関連投資が拡大し、投資意欲が依然として旺盛なことがうかがえる。

消費動向を示す社会消費品小売総額は8.4%増で、第1四半期(6.3%増)より2.1ポイント上昇した。中でも、電子商取引(EC)は25.3%増と好調で、社会消費品小売総額に占める割合も2.6ポイント上昇して14.0%となった。

対米輸出が2桁減と急減

上海市の2019年上半期の貿易総額は前年同期比1.8%減となった。輸出(0.4%減)と輸入(2.7%減)はいずれも前年同期のプラスからマイナスに転じており、特に米国向け輸出が10.4%減と大きく減少した。

(劉元森)

(中国)

ビジネス短信 7599fa05fd7819e8