山東省威海市で進出日系企業対象に初の座談会開催

(中国)

青島発

2019年07月05日

山東省威海市(注)で6月24日、商務局と威海外資系企業協会が、日系企業のビジネス投資環境改善を目的とした座談会を開催した。威海市の政府機関や進出日系企業から約40人が参加し、意見交換が行われた。威海市で日系企業を対象とした座談会の開催は初の試みだ。

座談会で、進出日系企業は最大の課題として、「人材確保の難しさ」を挙げた。具体的には、(1)労働者の定着率の低下や賃金の上昇、(2)「きつい、危険、汚い」のいわゆる3K現場を好まない労働者が多いこと、(3)威海市内の大学生の多くは北京や上海といった都市での就職を希望、市内にとどまる学生が少ないといった点を指摘した。

また、進出日系企業から商務局などに対し要望も出された。まず、環境規制が厳格になったものの、市内に産業廃棄物の処理施設がないため、早期に処理施設の設置が必要なこと、次に、環境規制に対する解釈を担当者間で統一してほしいことが挙げられた。

威海市政府駐日商務代表の陳錚氏は「人材確保の難しさ」に対し、「威海市は市外から、特に内陸部から人材を確保するのも解決の一手になるのではないか」と意見を述べた。また、人材流出を防ぐため、業種ごとに企業間でルール作りの必要性を訴えた。威海外資系企業協会の王軍利会長は「日系企業からの課題を精査した上で、関係部門と連携して早急に対応したい」と述べた。

(注)威海市に進出している日系企業(拠点数)は、山東省内で青島、煙台に次いで3位の164拠点ある(平成30年外務省「海外在留邦人数調査統計」)。

(武瑞琴)

(中国)

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