日本外務省、中国人観光客のビザ申請を電子化へ、インバウンドの追い風に

(中国、日本)

中国北アジア課

2019年07月30日

日本の外務省は7月29日、2020年4月から香港を除く7つの在中国公館で、中国人観光客に発行する査証(ビザ)の申請をオンラインで受け付けると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、同時に電子ビザを導入する予定だ。

オンライン申請の対象は中国人の団体・個人観光一次ビザで、今回の措置について外務省は、ビザ申請手続きを簡素化して訪日観光客(インバウンド)の増加につなげるほか、在外公館のビザ発給業務の効率化や、不法入国防止などの水際対策強化の狙いがあるとしている。

外務省によれば、2019年5月下旬から、北京の日本大使館では一部の指定旅行社からの団体・個人観光一次ビザのオンライン申請のテスト運用を行っており、7月30日からは全ての旅行代理店から団体観光一次ビザのオンライン申請の受付を正式に開始した。また、今後は個人観光一次ビザの申請についても、オンラインで受け付ける予定だ。

中国は訪日観光客数・消費額でトップ

日本政府観光局(JNTO)によると、2018年に訪日した外国人観光客数は、国・地域別でみると中国人が最も多い838万100人だった。直近の2019年6月は、前年同月比15.7%増の88万700人となり、単月として過去最高を記録した。

JNTOは、中国からの訪日観光客数が好調に推移した理由について、新規就航や増便による航空座席供給量の増加や、2019年1月から開始した、中国の訪日リピーターや学生への観光ビザの発給要件緩和の効果を挙げている(2019年3月27日記事参照)。

また、国土交通省観光庁によると、2019年4~6月期の中国の訪日外国人旅行消費額は4,706億円で、全体の36.7%を占め、国・地域別で最大だった。

(清水絵里子)

(中国、日本)

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