ロ中間で初のアムール川越境ロープウエーが着工

(ロシア、中国)

モスクワ発

2019年07月30日

ロシア・アムール州のワシリー・オルロフ知事と中国黒龍江省の李海涛副省長は7月18日、アムール川(黒竜江)を横断してブラゴベシチェンスクと黒河をつなぐロープウエーの着工式に出席した(アムール州政府発表7月18日)。

アムール州政府によると、開通は2022年下半期になる予定。ロープウエーの距離は973メートルで、定員60人のゴンドラを使用し、1日当たり輸送能力を6,000~7,000人とする計画だ。片道の所要時間は6分で、12~15分間隔で運行する。2024年までにロープウエーの年間乗客数は100万人になると見込まれている。同州政府が7月16日に公表したイメージ図によると、ゴンドラをつるすロープ(索条)は4本からなり、計4台のゴンドラを運行できる。なお、現在、両都市間を運航する旅客船は60分ごとに出ている。

本プロジェクトにはロープウエーに加えて、ブラゴベシチェンスク側で国境検問所とショッピングエリア、娯楽施設、ビジネス施設などを備えた4階建てのターミナルビルの建設も含まれている。敷地面積は4.9ヘクタール。設計コンセプトは世界各国のプロジェクトを手掛けるオランダの設計事務所UNスタジオが作成した。

純粋な民間プロジェクトであり、ロシア側は投資グループ会社「レギオン」が35億ルーブル(約60億円、1ルーブル=約1.7円)を投資する(レギオン発表7月16日)。中国側の投資家は建設会社の黒河市金竜港建設発展で、新華社通信(2017年11月14日)によると、投資額は1億2,000万ドルとされている。

なお、ブラゴベシチェンスクには10月をめどに自由港制度が導入される予定だ(2019年7月17日記事参照)。

(タギール・フジヤトフ)

(ロシア、中国)

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