2020年までにVOCs排出量10%削減、重点業界の対策方案を発表
(中国)
上海発
2019年07月10日
中国生態環境部は6月26日、「重点業界における揮発性有機化合物の総合対策方案」(以下、方案)を発表した。その内容を解読する。
揮発性有機化合物(以下、VOCs)は、微細粒子状物質(PM2.5)とオゾン(O3)を形成する重要な要素で、地球環境、気象・気候に影響を与えるだけでなく、人体にも健康被害をもたらすといわれる。
方案では、「第13次5カ年計画」(2016~2020年)で決定したVOCs排出量の10%削減、温室効果ガス排出の抑制、環境中の空気の品質の持続的改善を推進することを目標としている。また、2020年までに健全なVOCs汚染防止管理システムを確立させ、重点エリアや重点業界内でVOCs対策の成果が出るようにする。
重点エリアについては、京津冀とその周辺地域、長江デルタ、汾渭平原の3大エリアを指定し、より厳格な対応を求めている。重点業界については、石油化学、化学工業、工業塗装、包装印刷、石油製品貯蔵・運輸販売、工業園区と産業園区とし、総合的な対策を取るように求めている。
さらに方案は、基準システムの整備を求め、VOCs製品の品質基準とVOCsの業界排出基準制度を改正、地方がさらに厳格な地方排出基準を制定することを奨励する。VOCsの無組織排出(注)などを重点的に検査し、対策が不十分な状況が確認された場合、所轄の生態環境部門に対し監督責任を問う(方案の概要は表参照)。
重点業種に関するVOCsの国家基準を実施
方案の発表に伴い、「塗料、印刷用インクおよび接着剤工業大気汚染物質排出基準」(GB 37824—2019)、「VOCs無組織排出制御基準」(GB 37822—2019)
、「製薬工業大気汚染物質排出基準」(GB 37823—2019)
も7月1日から施行された。VOCsの重点排出源となる業種の排出基準は今後も強化されていく可能性がある。
(注)大気汚染物質などが特定の排気筒を通らずに排出される行為。
(呉秀媛)
(中国)
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