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VWテネシー工場、UAW傘下の労働組合結成を従業員投票で再び否決

(米国)

アトランタ発

2019年07月02日

米国テネシー州チャタヌーガにあるフォルクスワーゲン(VW)の完成車組み立て工場で6月12日から14日にかけて、全米自動車労働組合(UAW)傘下の労働組合結成の是非を問う従業員投票が実施され、反対833票、賛成776票で否決された(注1)。

米国では、連邦法である全国労働関係法(NLRA)が排他的交渉代表制を定めており、労働組合は従業員の過半数の支持を得て使用者と交渉する権利を獲得すると、その組合を支持しない従業員も含めた全ての従業員を代表して団体交渉を行うこととなる。UAW側はVWチャタヌーガ工場における排他的交渉権の獲得を目指し、今回の従業員投票に臨んだ。

同工場では2014年2月にも投票が実施されたが、反対712票、賛成626票で否決されている。2015年には、一部の従業員が労働組合を結成しVWとの労使交渉を試みたが、VW側は工場に勤務する従業員全員を代表するものではないことを理由に交渉を拒否していた。そして今回、工場全体で実施された従業員投票でも、労働組合の結成は再び否決された。VWは「工場のシフト調整や残業削減、時給の引き上げなど、工場で働く従業員の労働環境改善に取り組んできた」とし、経営者側が積極的に従業員の意見を取り入れてきたことを強調した。

米国南部では、2017年8月にミシシッピ州キャントンにある日産自動車の工場で行われた従業員投票でも、UAW傘下の労働組合の結成が否決されている。南部地域では「労働権法」(注2)を制定している州が多いことから、伝統的に労働組合の組織率は低く、2018年の全米平均が10.5%なのに対し、テネシー州は5.5%と低水準だ。

労働権法の存在は、企業にとっては経営を行いやすい労働環境をもたらすものとして、州の企業誘致のアピール材料の1つとなることもあり、テネシー州のビル・リー知事(共和党)は「従業員は正しい選択をした」と今回の投票結果を支持する発言をしている。知事は4月に同工場を訪問した際、従業員に労働組合結成に反対するよう呼び掛けるような発言をしたとの報道もある。

(注1)投票結果は全米労働関係委員会(NLRB)で最終的に認証される。

(注2)労働権法:雇用の条件として組合への参加義務付けを行うことを禁止する法律。現在、全米28州が制定している。

(西田由喜枝)

(米国)

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