華為技術ブランド、6月の国内スマホ販売シェアが33.1%に上昇

(中国)

上海発

2019年07月22日

調査会社の国金証券研究所の発表によると、中国市場の2019年4~6月期のスマートフォン(スマホ)販売台数は前年同期比21.6%減の8,555万台に減少した。2019年1~3月期の2.9%減(9,423万台)に比べて減少幅が拡大しており、スマホの販売不振が深刻化している。華為技術はほぼ前年並みの販売規模を維持したものの、2割減となったスマホメーカーもある。携帯電話市場が飽和状態にある中、第5世代移動通信システム(5G)対応機種は本格的に販売しておらず、消費者が買い替えを控えているとみられる。

そうした中、2019年6月のブランド別の市場シェア(販売量ベース)をみると、華為技術傘下の華為(ファーウェイ)と栄耀(オーナー)両ブランドは合わせて33.1%(3月は28.0%)となった(表参照)。販売好調な高級機が牽引し、2位のOPPOとの差が10ポイント強となり、大きく引き離した。ちなみに、6月の上位5ブランドの市場シェアは計97.8%となり、上位ブランドによる寡占化が進んでいる。

表 中国のブランド別スマートフォン販売概況

スマートホーム進出でエコシステムの構築を加速

華為技術は7月15日、テレビの未来像と位置付ける新製品「スマートディスプレー」を8月上旬に発売すると発表した。スマートディスプレーが家電製品につながるモノのインターネット(IoT)機能を持たせ、映画や音楽、情報共有、コントロール管理など、スマートホームの中心的な役割を果たすと想定されるという。同社は既に、テレビ関連商品の商標登録を完了している。

華為技術は、世界最大の通信機器メーカーでありながら、スマホやノートパソコン、タブレット、クラウドサービスなどにおいても世界の有力企業として成長している。スマートディスプレーへの進出を含め、同社はITにおけるエコシステムの構築を急いでいる。

(劉元森)

(中国)

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