BMW・ダイムラー、自動運転分野での提携を本格始動

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2019年07月24日

ドイツのBMWグループとダイムラーグループは7月4日、自動運転分野における長期的な戦略的提携の契約を締結したと発表した。両グループは2月28日に提携に関する覚書(MoU)を締結しており、より具体的な方針を示したもの。次世代の先進運転者支援システムや高速道路での自動運転、自動駐車システムなど〔それぞれ自動運転レベル4(注)まで〕の共同開発に注力する。さらに、都市圏における高い自動運転レベルの実現に向け、この提携を展開することも検討しているという。提携の目的は、自動運転技術の迅速な市場投入にあり、両グループはそれぞれ自社モデルへの同技術の採用を進め、2024年に投入予定の乗用車モデルへの搭載を目指す。

提携では、両グループから1,200人以上の専門家が協力し、センサーを含む先進運転支援システムの設計を行うほか、共通のデータセンターを構築し、関連機能やソフトウエアの開発を行う。開発拠点は、ドイツ南部のシンデルフィンゲンやイメンディンゲンにあるダイムラーグループのテクニカルセンター、ミュンヘン近郊のウンターシュライスハイムにあるBMWグループの自動運転キャンパスなどに置かれる予定。今回の提携では、他の完成車メーカー(OEM)や技術パートナーの参加も可能で、提携による研究結果はライセンスベースで外部への提供も行うとしている。

一方、ドイツ自動車最大手のフォルクスワーゲン(VW)も、自動運転分野で他のOEMとの連携を進めており、7月12日に米国フォードとの連携を発表している(2019年7月18日記事参照)

なお、7月2日には、ドイツ大手OEM3社(VW、ダイムラー、BMW)のほか、米国の半導体大手インテルや中国の検索大手の百度(バイドゥ)など11社が「Safety First for Automated Driving(SaFAD)」と題するホワイトペーパーを発表し、自動運転技術における安全性の12のガイドラインを示している。

(注)自動運転レベル0は運転自動化なし、レベル1は運転支援、レベル2は部分的運転自動化、レベル3はある条件下での運転自動化、レベル4は高度運転自動化、レベル5では完全運転自動化。

(ベアナデット・マイヤー、森悠介)

(ドイツ)

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