商務部、主要消費品の需給状況調査を発表

(中国)

中国北アジア課

2019年07月24日

商務部は7月17日、「主要消費財の供給および需要状況に関する統計調査」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(以下、調査)を公表した。調査は2018年に初めて開催された「中国国際輸入博覧会」(2018年11月13日記事参照)に合わせて実施しているもので、今回が2回目となる。

調査では、食品、アパレル、ベビー・マタニティー用品、家具製品、化粧品、スポーツ関連用品、電気電子製品、時計・眼鏡、宝飾品、乗用車の10種類の消費財の供給と需要の状況を分析している。供給状況は小売りなどの流通企業が、需要状況は消費者がそれぞれ回答している。

流通企業は輸入品増加への意欲拡大

供給状況について、国産品の売り上げが5割を超えると回答した企業は75.2%と、前年調査(75.6%)とほぼ横ばいだった。中国の消費財市場は依然として国産品がメインであることが分かる。供給状況の主な調査結果は次のとおり。

  1. 食品:販売額に占める輸入品の割合が5割を超す企業は23.8%だった。商品別では、健康食品、牛肉、ビール、ワインの輸入に占める割合が高かった。また、今後1年で輸入品を増やす予定の企業は12.8%(前年調査より2.9ポイント上昇)で、商品別では果物、ワインの人気が高かった。
  2. 化粧品:販売額に占める輸入品の割合が5割を超す企業は25.4%(1.7ポイント上昇)となった。商品別では、香水の輸入に占める割合が相対的に高かった。また、今後1年で輸入品を増やす予定のある企業は14.4%(5.2ポイント上昇)だった。

輸入車の購買意欲が低下

一方、需要状況について、輸入消費財を購入したことのある消費者は79.6%に達した。商品別にみると、化粧品、ベビー・マタニティー用品、時計・眼鏡、電気電子製品の割合が高かった。主な調査結果は次のとおりで、いずれの分野も「現状維持」と回答した消費者の割合が拡大している。

  1. ベビー・マタニティー用品:輸入品を購入している割合が10%以上の消費者が54.3%(4.3ポイント低下)となった。中国産で満足できない商品として上位に挙がったのは、粉ミルク(66.1%)、ベビーフード(41.4%)だった。今後半年で輸入品の購入を増やしたいと答えた消費者は26.6%(10.3ポイント低下)で、現状維持とした消費者は55.0%(11.0ポイント上昇)となった。
  2. 乗用車:輸入車を購入している割合が10%以上の消費者が41.6%となった。中国産で満足できない商品として上位に挙がったのは、スポーツ用多目的車(SUV)(44.5%)、セダン(41.0%)、新エネ車(40.9%)だった。今後半年で輸入車の購入意向がある消費者は25.3%(9.4ポイント低下)、現状維持と答えた消費者は53.5%(7.9ポイント上昇)となった。

(方越)

(中国)

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