フック首相、投資環境の改善を約束、ベトナム投資カンファレンスを都内で開催

(ベトナム)

アジア大洋州課

2019年07月03日

ジェトロとベトナム計画投資省は7月1日、「ベトナム投資カンファレンス-深化する日越相互信頼と共栄関係の醸成に向けて-」を都内で開催した。グエン・スアン・フック首相の基調講演や、ベトナム計画投資省外国投資庁(FIA)のドー・ニャット・ホアン長官ら政府要人と進出日系企業によるパネルディスカッションのほか、協力覚書(MOU)交換式が行われた。MOU交換の案件は計32件、総額70億ドルとなり、これら案件の具体的進捗が期待される(添付資料参照)。

写真 基調講演を行うフック首相(ジェトロ撮影)

基調講演を行うフック首相(ジェトロ撮影)

フック首相はベトナムへの投資状況について、「ベトナムの経済成長率は7%超を記録し、魅力的な市場だ。日本をはじめ世界中の大企業がベトナムへ投資し、ジェトロの調査によると、進出日系企業の約7割が投資を今後拡大するとしている。投資環境の改善のため、手続きの簡素化と明確化に向け努力している」と述べた。また、EUとの自由貿易協定(FTA)に6月30日に調印したことも報告し、「進出日系企業にとって、ベトナムへの投資のチャンスとなる」と強調した。その後の投資ライセンス授与および協力覚書交換式では、日本とベトナムの企業・団体間の32件の協力案件の覚書が交わされた。

写真 フック首相立ち会いの下、協力覚書(MOU)などの交換式が行われた(ジェトロ撮影)

フック首相立ち会いの下、協力覚書(MOU)などの交換式が行われた(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションに登壇した日系企業からは、一定の条件を満たした場合に申請できる付加価値税(VAT)の還付について、その還付時期が遅く、投資計画に影響が出ているとの声も聞かれた。ベトナム財政省のブー・ニュー・タン国際協力局長は税制について、「企業からの声に常に耳を傾け、浮き彫りになった課題は解決を図っていく」とした。同カンファレンスには企業関係者を中心に約1,000人が出席した。

(上田弘大)

(ベトナム)

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