4月の産業活動指数、前年同月比でマイナス続くも、前月比ではプラスに転じる

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年07月04日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は6月26日、4月の産業活動指数が前年同月比1.3%減、前月比0.8%増だったと発表した。前年同月比ではマイナス成長が続くものの、農業部門の回復や、3月の通貨切り下げや金利上昇の影響によって落ち込んだ製造業や建設業の減少幅が縮小したことから、前月比ではプラスに転じた(図参照)。

図 産業活動指数の推移

産業別でみると、農業・牧畜・狩猟・林業(前年同月比40.2%)が牽引役となった(表参照)。干ばつの影響によって不作だった前年と比べ、収穫に適した天候が続いたことから、記録的な収穫高となった。漁業も前年同月比35.0%と大きな伸びを記録した。同分野以外では、教育(1.3%)、鉱業・採石(0.4%)、行政・防衛(0.2%)がプラス成長となった。そのほかの産業はマイナス成長だったが、ほとんどで3月よりもマイナス幅は縮小した。財務省は、前月に為替のボラティリティー(変動の激しさ)や、高止まりする金利の影響を大きく受けた製造業(マイナス8.5%)と建設業(マイナス4.5%)の減少幅が縮小したことに言及している(「iプロフェッショナル」紙6月26日)。なお、最も落ち込んだのは金融仲介業(マイナス13.0%)で、高金利により貸し付けが減少したことが響いた。

表 産業別の産業活動指数

産業活動指数は、2018年12月(前月比1.0%)、1月(0.6%)、2月(0.2%)と前月比でプラス成長となっていたが、3月は通貨下落、金利上昇、インフレ率の加速によって前月比マイナス1.4%まで落ち込んだ。財務省は4月の産業活動指数が再び前月比でプラスに転じたことについて、「2018年12月に始まった成長の道が再開した」と強調。経済成長は、歴史的な収穫量を記録する農業部門によって後押しされるだろうとしている(「クラリン」紙6月26日)。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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