生態環境部、2巡目の中央環境保護査察を近く開始と発表
(中国)
北京発
2019年07月04日
中国生態環境部は、中央政府による2巡目の中央環境保護査察を近く開始すると発表した。6月27日の記者会見で霍青副部長が明らかにした。
中央環境保護査察は、中国共産党中央委員会と国務院によって行われ、通常の地方政府による査察よりも高いレベルで実施される。査察の1巡目は2016年7月から2017年9月にかけて計4回に分けて全国で実施され、2018年には「振り返り」(レビュー)査察が2回行われた。
霍副部長によると、2巡目の査察は2019年から2021年までの3年間にわたって行い、2022年にはその「振り返り」査察を実施するとした。また、2巡目の査察第1回は既に準備作業を終えており、中央の認可が得られ次第、対象地域などの詳細を公表するとした。
一律の取り締まりは行わないとあらためて強調
1巡目の査察では、個別企業が排出基準を満たしていても地域レベルで満たしていないとして、地域全体で一律に生産停止を命じられるなど、一律の取り締まり(中国語で「一刀切」)が問題となった。在中国の日系企業団体である中国日本商会も、中央・地方政府への建議書として毎年取りまとめている「中国経済と日本企業白書」でこの問題の改善を要望していた。霍副部長は、記者からの「2巡目の査察でこういう問題の発生を避けるため、どう対応するのか」との質問に、「一刀切」の実施を発見した場合は直ちに処分を命じるとしたほか、問題を重視して断固禁止するよう査察主体に求めるとコメントした。
なお、中国共産党中央弁公庁と国務院弁公庁は6月17日、中央環境保護査察の具体的な業務内容などを規定した「中央生態環境保護査察工作規定」を公布した(6月6日より施行)。これによって、査察の対象や内容、プロセス、査察権限のほか、違反発見時の措置などが明文化された。また、国務院の関連部門と中央国有企業も査察の対象となることが明確化されたほか、査察を行う人員に対する規律も強化している。
(小宮昇平)
(中国)
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