第1四半期の対中輸出が減少

(韓国、中国、米国)

中国北アジア課

2019年06月13日

韓国貿易協会国際貿易研究院は、米中貿易摩擦により韓国の輸出は減少するとの見方を示していたが(2019年5月21日記事参照)、2019年第1四半期(1~3月)の韓国の輸出統計によると、その見通しは現実のものとなりつつある。

第1四半期の韓国の輸出は1,326億7,400万ドルで、前年同期比8.54%減となった(表1参照)。国別で見ると、輸出先1位の中国は318億1,600万ドルで17.32%減、2位の米国は179億6,800万ドルで12.85%増となり、対中輸出は大きく減少している。

表1 韓国の輸出

対中輸出の上位20品目をみると、前年同期比で2桁以上の減少となった品目は、液晶デバイス(45.7%減)、感光性半導体デバイス・発光ダイオード(41.1%減)、メモリー(39.3%減)、軽油(33.0%減)、機械類(27.6%減)、フラットパネルディスプレー製造用機器(21.8%減)、プリント回路(15.5%減)となり、電気・通信機器など中国における生産の原材料となる中間財の輸出減少が目立つ結果となった(表2参照)。

表2 韓国の対中輸出上位20品目(2019年1Q)

こうした中、米国による中国への追加関税賦課への対応として、韓国企業も具体的な動きを見せつつある。現地報道によると、LG電子は中国浙江省台州市の工場で生産していた米国向け高級冷蔵庫の生産を韓国内の工場に移し、サムスンも中国での米国向け冷蔵庫の生産をタイの工場に移転した(韓国経済新聞)。

米中貿易摩擦は韓国の輸出のみならず、企業のサプライチェーンにも大きく影響を及ぼしており、今後の動きを注視する必要がある。

(友田大介)

(韓国、中国、米国)

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