ドゥテルテ大統領の来日に合わせ、26件の投資合意を締結

(フィリピン)

アジア大洋州課

2019年06月03日

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領一行が5月28~31日に来日し、日本からの投資に関する26件の合意文書が5月29日、フィリピンと日本企業の間で締結された。貿易産業省によれば、内訳は自動車や医療機器など多岐にわたり、投資総額は2,888億ペソ(約6,065億円、1ペソ=約2.1円)に上り、8万2,737人の雇用を創出する見込みだ。ラモン・ロペス貿易産業相は一連の合意に関して、「フィリピンの製造業基盤を拡大させ、高付加価値製品の輸出増に寄与する。雇用創出を通してフィリピン人の生活の質を向上させる」と述べた。両国の経済関係がより一層強固になり、かつ深化することとなる。

円=ペソ直接交換市場枠組み構想も

ドゥテルテ大統領と安倍晋三首相は5月31日、首相官邸で会談した。会談後の共同記者会見では、フィリピン政府が福島県産水産物の輸入停止措置の解除を決めたことが明らかになった。また同日には、中央銀行のディオクノ総裁と麻生財務相の間で、「日本円=フィリピン・ペソ直接交換の枠組みの構築に向けた意向表明書(LOI)」が署名された。日系企業がペソを調達する際、従来は米ドルを介在してレートを決めていたが、同枠組みが実現すれば、両通貨間で直接に価格決定を行えるようになる。為替リスクが軽減され、両通貨の利用が促進されることが想定される。

(渡邉敬士)

(フィリピン)

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