インド準備銀、3会合連続での政策金利引き下げ
(インド)
ムンバイ発
2019年06月11日
インド準備銀行(RBI、中央銀行)は6月6日、金融政策決定会合を開催し、政策金利(レポレート)を6.00%から0.25ポイント引き下げ、5.75%にすると決定した。これで3会合連続の引き下げとなった。金融政策のスタンスについても、「中立(neutral)」から「緩和的(accommodative)」へ変更すると決定した。採決では全委員が引き下げに賛成した。今回の利下げについて一部では、総選挙やその結果に絡む「政治色」を指摘する声もある。
3会合連続の引き下げに至った主な理由として、1つは消費者物価指数(CPI)上昇率が目標値の範囲内である4%±2%以内に収まっていることだ。2018年度第4四半期(2019年1~3月)CPIの上昇率は2.5%となり、前回4月の会合での想定値(2.4%)ともほぼ合致していた。また、2018年度の国内総生産(GDP)成長率の推計値が6.8%となっており、経済成長の鈍化が見られたことも挙げられる。
翌日の現地紙の反応は、今回の利下げは市場の予想どおりだとし、財界関係者の利下げを歓迎するコメントを紹介するものが多く、金利政策スタンスの変化を受け、さらなる緩和を予想している(「ミント」紙6月7日など)。
なお、政策金利が5.75%となるのは2010年7~9月期以来、RBIの金利政策スタンスが「緩和的」となったのは2017年2月以来となる。
(比佐建二郎)
(インド)
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