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欧州委、WTO電子商取引ルール提案を公表

(EU)

ブリュッセル発

2019年06月03日

欧州委員会は5月3日、電子商取引に関するWTOルール策定に向けた提案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。2019年1月に始まった、EU28カ国を含むWTO加盟76カ国による協議で提案された。欧州委は、電子商取引が国境を越えて拡大する中で、現状で欠けているWTOの多国間ルールの策定は、先進国と開発途上国における電子商取引の機会拡大と課題への対処につながるとした(注)。提案は主に次の10点からなり、個人データ保護やプライバシーを基本的人権と位置付けている点などが特徴だ。

  • 電子契約と電子署名の有効性の保証
  • オンライン環境における(消費者保護による)消費者の信頼の強化
  • 効果的なスパム対策
  • 国境を越えた販売を阻む障壁対策
  • 個人データ保護と強制的なデータ・ローカリゼーション(データの国内での保存・処理を義務付ける規定)禁止の両立
  • ソースコードの強制開示の禁止
  • 電子送信への関税賦課の恒久的禁止
  • 開かれたインターネットへのアクセスの原則の堅持
  • インターネットの活発なエコシステムを支援するのに適した、WTOの情報通信サービスに関する規律の更新
  • 電気通信とコンピュータ関連サービスの市場アクセス・コミットメントの改善

さらに、EU理事会(閣僚理事会)は5月27日、欧州委に対するWTOにおける電子商取引に関する交渉マンデートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を追加で採択した。新たに採択されたマンデートは、上記の提案事項でカバーしていない項目、すなわち情報通信分野において公平な競争環境を確保するための規制規律の策定、電子商取引分野における貿易措置の簡易化、営業秘密を含む知的財産など、電子商取引の貿易的な側面を補足するものとなっている。

一部の産業団体は実現に悲観的な見方

この提案の公表に先立つ4月5日、欧州の情報通信技術(ICT)関連産業団体のデジタルヨーロッパは、WTOの電子商取引に関する協議に向けた勧告PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表していた。この勧告には、電子送信への関税賦課禁止などEUの提案と共通する要素も含むが、自動化による通関プロセスの迅速化や、少額輸入品の関税と付加価値税(VAT)の免税範囲の統一などの提言を含んでいた。また、eコマース産業団体eコマース・ヨーロッパは、WTOでの合意形成の難しさに言及し、交渉は「長く困難なものとなるだろう」と悲観的な見通しを示した。

(注)WTOにおけるデジタル貿易関連ルールと議論の概要については、ジェトロ「世界貿易投資報告PDFファイル(2.3MB) 2018年版」第1部第III章第4節で紹介している。

(村岡有)

(EU)

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