アルゼンチン大統領選挙、候補者9人が出そろう

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年06月28日

6月22日に、アルゼンチン大統領選挙への立候補が締め切られた。10月27日に本選挙の投票日が予定されている。今回の大統領選挙の立候補者は9人にとどまり、1983年の民政化以降最少となった。

大統領および副大統領の立候補者は表のとおり。連立与党は、政党団体名を「カンビエモス(変えよう)」から「フントス・ポル・エル・カンビオ(変化をともに)」に変更して登録。マウリシオ・マクリ大統領が再選を目指す中、副大統領候補としてペロン党穏健派の重鎮であるミゲル・アンヘル・ピチェット上院議員を一本釣りした。

マクリ大統領の対抗馬の最右翼と目されていたクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル前大統領は5月、自らは副大統領候補として立候補すると発表し、大統領候補にはアルベルト・フェルナンデス元首相を擁立した。政党団体名を「すべての戦線」として、ペロン党急進派と位置付けながら、ペロン党穏健派から大統領候補とも目されていたセルヒオ・マッサ元首相をグループに取り込むなど、支持層の拡大を図っている。

大統領選挙におけるペロン党穏健派は、候補者締め切り日が迫るにつれて草刈り場となっていった。大統領候補者の一本化が難航し、ピチェット上院議員やマッサ元首相は別グループへと離れていった。最終的には、ロベルト・ラバーニャ元経済相が大統領候補、フアン・マヌエル・ウルトゥベイ・サルタ州知事が副大統領候補になる「連邦の合意2030」として選挙戦を戦う。

6月初旬の調査会社シノプシスによる世論調査によると、主要3候補の支持率はフェルナンデス元首相が40.7%、マクリ大統領が35.1%、ラバーニャ元経済相が9.4%だが、上位2人のみの決選投票を想定した場合は、マクリ大統領が50.7%、フェルナンデス元首相が49.3%と接戦が見込まれている。

表 大統領および副大統領の立候補者リスト

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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