眉山市で健康養老分野の日中協力シンポジウム、日本企業参入に高い期待感

(中国)

成都発

2019年06月24日

四川省眉山市で6月15日、日中の健康養老産業の発展と協力をテーマとした学術シンポジウムが開催された(主催:中国の全国日本経済学会、実施機関:中国社会科学院日本研究所)。

シンポジウムには、中国の政府関係者や研究者のほか、日本側からは鳩山由紀夫元首相や在中国大使館、重慶総領事館、ジェトロ、関連する企業・団体の関係者など約300人が参加。養老介護分野における日中協力の可能性について議論が行われ、中国側からは、日本企業との連携によるサービスやノウハウの導入などに高い期待感が示された。

写真 全国日本経済学会年次総会・シンポジウムの様子(ジェトロ撮影)

全国日本経済学会年次総会・シンポジウムの様子(ジェトロ撮影)

中日国際健康福祉タウンが建設中

眉山市は、人口約350万人、成都市南部に隣接し、成都市を中心した大都市圏を構成する都市の1つだ。李興乾副市長は主要なプロジェクトとして、2018年から建設が進められている「中日国際健康福祉タウン」(中国名:中日国際健養城)を紹介。イベント参加者は翌16日、現地を視察した。

説明によると、健康福祉タウンの投資主体は香港の投資会社で、総面積は約2,505ムー(1ムーは約667平方メートル)。ベッド数3,000床の中日国際病院、1万2,000床の養老介護・リハビリセンター、介護人材の養成学校、がん幹細胞治療薬研究所、バイオ・医療の研究施設などが設置される予定。このうち、中日国際病院には日本の徳洲会、養老介護・リハビリセンターには、北京、上海、成都などで介護施設の運営や介護サービスの実績があるリエイが参画するという。

四川省統計局の発表によると、2018年の四川省の65歳以上の人口は1,181万9,000人と、山東省に次いで中国で2番目に多い。省人口に占める65歳以上の割合も14.17%で、中国全体の11.94%を上回り、遼寧省、上海市、山東省に次いで4番目に高い水準である。こうした中で高齢化対策は目下、四川省の喫緊の課題となっており、同省は2018年8月、2018年から2025年にかけての医養結合(医療衛生サービスと高齢者サービスの結合)計画を発表。眉山市を含む成都市周辺エリアが計画の革新的地域に指定された。眉山市としてはこうした政策も背景に、成都市との地理的近接性を生かし、高齢者産業の発展を目指したい考え。

写真 中日国際健康福祉タウンの外観(ジェトロ撮影)

中日国際健康福祉タウンの外観(ジェトロ撮影)

写真 中日国際健康福祉タウン展示説明スペース(ジェトロ撮影)

中日国際健康福祉タウン展示説明スペース(ジェトロ撮影)

(田中一誠)

(中国)

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