デュッセルドルフで日独シンポジウム開催、AI活用の展望について議論

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2019年06月06日

ドイツのデュッセルドルフ日本商工会議所やノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州関係機関の主催、ジェトロなどの協力により、「日独経済シンポジウム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が5月27日にデュッセルドルフで開催された。同シンポジウムは、日本文化の紹介を目的とする「日本デー」と併せ、毎年開催されており、2019年は「AI(人工知能)とイメージングテクノロジー」というテーマの下、日独双方から約330人が参加した。

基調講演では、東京工業大学の梶原将副学長(戦略構想担当)、フラウンホーファー研究機構インテリジェント分析・情報システム研究所(IAIS)副学長のディルク・ヘッカー博士が登壇し、AI研究の最先端の事例を紹介した。東京工業大学は2019年3月に、アーヘン工科大学内にサテライト拠点を設立しており、今後ドイツをはじめEU内での共同研究を推進するとした。

その後、日独双方の企業が登壇し、AIやイメージングテクノロジーにおける各社の最新の取り組みが紹介された。日系企業側から島津製作所やコマツ、NECの在ドイツ拠点代表者らが登壇、ドイツ企業側からは産業用オートメーション製品の製造・販売のターク、AI関連のスタートアップ企業であるアイソ・ラブ(aiso-lab)、アイオーエックス(IOX)およびナイリス(nyris)が登壇した。画像検索エンジンを開発するナイリスは、画像や映像内の製品と物体を高い精度で検索・認証するAI技術を確立し、ドイツ小売り大手のメトロや自動車大手ダイムラーなどと協業しているという。

パネルディスカッションでは、大企業とスタートアップ企業がAI技術の研究開発で連携するに当たってのメリットや進め方について、登壇者からは「専門人材の確保のため、スタートアップに対して少額の資本参加するかたちで提携する」(ターク)といった意見や「多くの大企業がスタートアップとの提携に関心を持っており、スタートアップは積極的に提案してほしい」(島津製作所)といった意見が交わされた。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

(ベアナデット・マイヤー、森悠介)

(ドイツ)

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