暫定首相のプラユット氏、新首相に選出

(タイ)

バンコク発

2019年06月10日

タイの3月の総選挙を受けて、次期首相を選出する上下両院による合同議会が6月5日に開催された。同日夜の首相指名選挙で、前国家平和秩序評議会(NCPO)議長のプラユット暫定首相が両院議員の500人から支持を受け、第30代の首相に選出された。

合同議会では、国民国家の力党が主導し軍政派が推薦するプラユット暫定首相と、タイ貢献党が主導し反軍政派が推薦する新未来党のタナトーン党首が最終的な首相候補者となった。

投票の結果、プラユット暫定首相は500票を獲得し、タナトーン党首は244票にとどまり(棄権3人、議員資格停止中1人、辞職1人、欠席1人の6票を除く)、軍政派の新内閣が発足することとなった。

2017年に制定された憲法によると、首相の選出に際し、上下両院議員数(上院250人、下院500人の計750人)の過半数である376票の支持が必要だ。上院は、250人全員がNCPOによって任命されているため、軍政派から推薦された候補者以外の首相への選出には、下院だけで376票を獲得する必要があり、事実上不可能だ。

総選挙で下院の第1党となり勝利したタイ貢献党率いる反軍政派は、下院で376議席以上獲得できなかったばかりか、下院の多数派も形成できなかった。一方、第2党である軍政派の国民国家の力党は、19政党と連合し、下院で計254議席を確保、過半数を獲得した(表参照)。

表 軍政派および反軍政派の獲得した議席数(2019年6月5日時点)

(ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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