9連休で旅行セクターに活況、8月連休にも期待

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2019年06月21日

アラブ首長国連邦(UAE)では、5月31日(金)から6月8日(土)まで最長9日間の断食明け大祭の連休となり(2019年5月31日記事参照)、周辺のイスラム教国からの来訪客を含めて、UAEの観光・小売りセクターが活況を呈した。

居住外事総局(GDRFA)は、UAE居住者と来訪者も含め、連休中のドバイの空港・港などを利用した出入国者数は130万人以上と発表した。ドバイ居住者の約4割に相当する数だ。居住者の国外旅行については、中東・北アフリカ最大の旅行情報サイト、ウィゴー(Wego)はエジプト、サウジアラビア、インドなど比較的近距離の国が人気と伝える。同社によると、スマートフォンを利用した予約が64%を占め、この傾向は今後も続くと予想している。民間調査会社のレポートでは、湾岸協力会議(GCC)諸国におけるモバイル端末の利用も含めたオンライン・トラベル市場が今後5年間で年平均20%拡大するとの見通しも発表されている。

連休中にUAEを訪れる外国人来訪者も多く、UAEの多くのホテルはオフシーズンにもかかわらず予約率が80%を超え、連休前に満室となるホテルも多かった。パーク ハイアット ドバイ(Park Hyatt Dubai)は、連休中の平均室料が前年比8%増という。190カ国以上の宿泊情報を提供するエアビーアンドビー(Airbnb)は、連休期間中にUAEがイタリア、スペインに次いで世界で3番目に人気の旅行先となったという。

連休中には、多数のイベントやセールが行われた。アブダビでは、複数のショッピングモールが24時間営業に加え、最大90%引きのセールを実施し、数千人が訪れたと発表されている。ドバイでは、ハムダン皇太子を含む3人の王子の結婚パーティーが開かれ、1千人以上のVIPが出席したほか、1万7,000席を有する地域最大の屋内多目的施設コカ・コーラ・アリーナの開業イベントとしてカナダ人コメディアンのライブが上演されるなど、さまざまなイベントが行われた。中心部の混雑を避けて、他の首長国に足を延ばす居住者も多く、UAE北部ラスアルハイマにあるUAE最高峰の山には3万8,000人が来訪したといわれる。

8月にも巡礼休暇や犠牲祭に伴う祝日があり、多くのイスラム教国が休日となる。ある地元紙は、週末と合わせて5日間の連休となるのではないかと予測しており、観光セクターではあらためて客数増への期待が高まっている。

(山本和美)

(アラブ首長国連邦)

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