自動車部品のドイツZF、セルビアにハイブリッド車やEV用モーター工場を建設

(セルビア)

ウィーン発

2019年06月21日

ドイツの自動車部品メーカーのZFフリードリヒスハーフェン(以下、ZF)が、セルビアの首都ベオグラード市近郊のパンチェボ市に建設していたハイブリッド車や電気自動車(EV)の心臓部とも言えるモーターや変速機などの組み立て工場が完成し、6月12日にアレクサンダル・ブチッチ・セルビア大統領やトマス・シーブ駐セルビア・ドイツ大使、マイケル・ハンケルZF取締役、サーシャ・パブロブ・パンチェボ市長らが参列する中、開所式が行われた。

パンチェボ市の北工業団地に位置するZFの工場の投資総額は1億6,000万ユーロ。第1段階として今回完成した工場建屋面積は2万5,000平方メートルで、現時点の雇用者数は約300人だが、第2段階として2021年の完成を目指し建屋面積3万5,000平方メートルの建設が行われ、それまでに700人が追加で雇用される予定だ。また、建屋面積5,000平方メートルの技術開発センターの建設が予定されており、最終的には合計約1,300人の雇用が見込まれる。

当初、ZFは第1段階の工場のみの建設を予定していたが、今後、ハイブリッド車やEVの大幅な需要が見込まれることから、投資規模を拡大したようだ。

式典に参列したアレクサンダル・ブチッチ大統領は、今回のZFの投資はただ単にセルビアに新たな雇用をもたらすばかりでなく、最も近代的かつ最先端の技術も導入するもので、パンチェボ工場で組み立てられるハイブリッド車やEVの心臓と言われるモーターや変速機が将来、ボルボや他の欧州の高級EVに組み込まれることを誇りに思うと述べた。

同大統領はセルビア国立銀行のデータを引用し、1~5月のセルビアへの外国直接投資が前年同期比17%増の伸びを示していると紹介し、セルビアへのドイツの投資により5万8,013人の雇用を創出、ドイツとの貿易額も年間50億ユーロ以上に達しているとも語った。

(鈴木秀男)

(セルビア)

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