米商務省、232条鉄鋼・アルミ追加関税適用除外手続きのための新ポータルサイトを開設

(米国)

ニューヨーク発

2019年06月13日

米国商務省は6月10日付の官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、1962年通商拡大法232条(以下、232条)に基づいて課している鉄鋼・アルミニウム製品への追加関税につき、適用除外の申請を受け付ける新たなポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの立ち上げを発表した。同日、そのユーザーガイドPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)も発表された。これまでの申請は連邦政府のパブリックコメントサイト(BIS-2018-0002-0001)で受け付けていたが、6月13日から新たなポータルサイトに移行する。また、適用除外申請への「反対意見(objection)」やその反対意見に対する「反論(rebuttal)」、その反論への「再反論(surrebuttal)」も新たなポータルサイトで受け付ける。新たなポータルサイトとユーザーガイドは、国務省の232条適用除外制度に関する特設ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますからアクセスできる。

手続きの簡素化とデータの統合が狙い

適用除外プロセスを所管する米国商務省産業安全保障局(BIS)と232条調査を所管する国際貿易局(ITA)は、今回のポータルサイトの立ち上げの目的を、「適用除外申請の手続きを簡素化するとともに、データの統合とそのより良い管理を促すため」としている。これまで使われていたサイトは元々、一般的なパブリックコメントを受け付けるためのもので、232条の適用除外を申請するには使い勝手が悪いとのコメントがユーザーから寄せられていた。

商務省は新たなポータルサイトに関するユーザーガイドの中で、今回のサイト移行により、面倒な作業を要した手続きが改善されるとしている。また、申請自体が簡素化されることに加えて、申請後の状況も随時トラッキングができるよう透明性を大幅に改善したとしている。ユーザーガイドによると、今後、適用除外申請や反対意見などを提出する場合は、ユーザー登録が必要となる。

新たなポータルサイトへのパブコメ締め切りは8月9日

また商務省は、今回の適用除外手続き変更に関するパブリックコメントを8月9日まで、連邦政府のパブリックコメントサイト(BIS-2019-0005)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで受け付ける。コメントは、今回の変更がこれまでの申請手続きを簡素化したか、またポータルサイト自体にさらに改善すべき点があるか、という点に関する内容を求めるとしている。

なお、ジョージメイソン大学が、本追加関税導入からの1年間の適用除外申請結果を検証外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたところ、2019年3月18日時点で、鉄鋼製品に関する適用除外申請が4万5,328件あった中、認定が2万1,464件(47%)、却下が6,588件(15%)、審査中が1万7,276件(38%)だったとしている。他方、アルミニウム製品は申請全体が6,017件あった中、認定が4,069件(67%)、却下が637件(11%)、審査中が1,311件(22%)との結果だった。

適用除外の認定を受けた案件でも、期限の1年間を過ぎて再申請が必要なものも出てきており、今後も米国商務省は多数の適用除外申請を受け付けることが見込まれる。

(磯部真一)

(米国)

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