カリフォルニア州が非合法移民の成人(25歳以下)にも健康保険提供へ、全米で初

(米国)

サンフランシスコ発

2019年06月20日

カリフォルニア州議会は6月13日、非合法移民の若年層にも健康保険の対象者を広げることを盛り込んだ州政府予算案を承認した。

カリフォルニア州では、18歳までの非合法移民は、2015年から州が提供する低所得層向け健康保険「メディ・カル(Medi-Cal)」に申し込めるようになっている。今回の提案は、この年齢を25歳まで引き上げるというもの。予算案が州知事の承認を得られた場合、カリフォルニア州は非合法移民の成人に健康保険を提供する初めての州となる。約9万人が対象となり、費用は9,800万ドルを要するが、健康保険に加入していない住民へ科す罰金を財源の一部に充てるという。この罰金制度は、前オバマ政権による医療保険制度改革(通称:オバマケア)で実施され、2017年にトランプ政権が撤廃したもの。健康保険に未加入の成人は、年695ドル、または年間世帯収入の2.5%のうちどちらか高い方をカリフォルニア州へ税金として支払うことになる。

今回のメディ・カルの適用範囲拡大は、2020年1月からとしている。

民主党が主導して進めてきた同予算案に対し、共和党は「非合法移民に健康保険を提供するために、健康保険に加入しない合法な住民に税金を課すもの」として非難している。

(田中三保子)

(米国)

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