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制度的協定の締結に向け、EUに3項目の明確化を要請

(スイス)

ジュネーブ発

2019年06月17日

スイス連邦参事会(内閣)は6月7日、EUとの間の制度的条約(2019年3月15日付地域・分析レポート参照)をめぐり国内関係機関に実施したコンサルテーションの結果を踏まえて、3つの顕著な問題の解決策を見いだすため、欧州委員会へ書簡PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を送った旨の声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出した。6月10日にユンケル欧州委員会委員長が返答書簡PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で話し合いに応じる姿勢を見せ、締結に向けて大きく動きそうだ。

連邦参事会がユンケル委員長宛ての書簡で、条約案を議会へ送付するため明確化が必要な3項目として協議を求めたのは以下のとおり。

  • 制度的条約における政府(州含む)補助金の扱いに関する規定が、1972年調印のスイス・EU(当時はEC)自由貿易協定をはじめとした他の協定に影響を与えないことの明確化
  • スイスの現行の賃金水準を保護するための法的保障の確保
  • 制度的条約上のいかなる措置も、EU市民の自由移動の原則を保障するEU理事会指令上の義務をスイスに課すとは解釈され得ず、両者間で再交渉しない限り、EU指令の国内法への受容や立法が強制されないこと

ユンケル委員長は6月11日にスイスのマウラ大統領に宛てた返答書簡で、連邦参事会による書簡について、EUとともに可能な限り短い期間で制度的条約の基礎的な合意に署名することを可能にする前向きなメッセージと捉え、共同宣言のかたちでの合意を可能にすべく、スイス側の全ての懸念を払拭(ふっしょく)し補足的議論を行う用意があるとした。ただし、2018年11月に最終的にまとめた制度的条約の再交渉には応じられないとし、両者で実現的で正当化し得る全ての対応策を挙げていくが、急ぐ必要があるとして、話し合いの期限を「重要な会合」のある6月18日に設定した。6月11日付の「ノイエ・チューリヒャー・ツァイトゥング」紙は、欧州委員会で18日に、スイスに対する通商政策とスイス証券取引市場に対する同等性認定の期限更新が話し合われるとみられ、ユンケル委員長は10月末の任期満了までにスイスとの制度的条約の署名という成果を出せるよう急いでいる、と報じている。

条約締結を急ぐEU、時間をかけたいスイス

他方、スイス側は、EU市民の自由移動原則などについて、国内の意思統一に時間をかけたいようだ。6月7日の書簡でスイス連邦参事会は、スイスで移民の抑制(自由移動の廃止)を求める「イニシアチブ(国民発案)」が予定されており、提案内容には反対だが、国民の理解を求めることが必要だと言及している。

(和田恭、マリオ・マルケジニ)

(スイス)

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