民間エコノミスト、2019年の実質GDP成長率予測をマイナス1.5%に下方修正

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年06月11日

アルゼンチン中央銀行は6月4日、国内外48人の民間エコノミストらによる最新の経済見通しの集計中央値(REM)を発表した。前回(5月3日)と比べ、インフレ率の上昇はわずかと予測し、為替レートも落ち着く見通しとなった。一方、2019年の実質GDP成長率の見通しは、予想値を前回から0.2ポイント引き下げてマイナス1.5%、2020年を2.0%(前回:2.2%)と下方修正した。

また、インフレ率の2019年末の見通しは、40.3%(40.0%)と微増にとどまった。月間インフレ率は、前月比4.7%を記録した3月をピークに低下する見通し。4月の実績値が3.4%と、事前予測の4.0%を下回ったことから、エコノミストらは5月を3.0%(3.2%)に修正した。6月以降は2.0%台で推移するとしている。

2019年末の為替レートは、5月が比較的落ち着いたこともあり、前回の1ドル=51.2ペソから51.0ペソ(0.2ポイントのペソ高)とした。また、今後数カ月の見通しは前回値よりも0.1~0.2ポイントのペソ安になる予想だが、変動幅は小さい。

なお、2019年末の政策金利は、前回値を5ポイント上回り55.0%になる見通しだ。6月4日時点で政策金利は70.5%と高止まりしているが、6月末には69.0%となり、年末にかけて徐々に利下げされる予想となっている。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

ビジネス短信 c4a35052d3066ce5