ドイツ、EV導入を促進する購入支援補助金の継続を決定
(ドイツ)
欧州ロシアCIS課
2019年06月07日
ドイツ経済エネルギー省は5月31日、電気自動車(EV)など低排出ガス車の導入を促進するための新車購入補助金を継続すると発表した。補助金により低排出ガス車の導入は進んでいるとしながらも、まだ不十分とし、6月で終了する予定だったが、2020年内まで継続するとした。
補助額はこれまでと変更はない。リストに掲載されている、(1)化石燃料を使用しない純EV、燃料電池車、(2)プラグイン・ハイブリッド車や走行キロ当たりの二酸化炭素(CO2)排出量が50グラム未満の車が対象で、補助額は(1)が4,000ユーロ、(2)が3,000ユーロ。補助金は国と自動車メーカーの折半で拠出されている。2016年7月の制度導入からこれまでの実績(5月31日時点)としては、純EVが7万9,000台、プラグイン・ハイブリッド車で4万台に対して、補助金が支給された。個人の購入による適用が44%、企業の購入(社用車)が54%を占める。メーカー別では、BMW(補助金対象販売台数約1万9,500台)、ルノー(1万5,900台)、フォルクスワーゲン(VW)(1万4,500台)の順で、日系メーカーとしては、三菱自動車(8,000台)が5位に入っている。
ドイツ連邦自動車局(KBA)によると、この制度の導入後、2017年に入ってからEVとプラグイン・ハイブリッド車の販売台数は急速に増加している。1~4月のドイツ国内でのEV販売台数は2万669台で、前年同期比1.7倍に拡大した。
ただし、EV導入の障壁として、充電施設の整備がまだ不十分との声は根強い。自動車産業連合会(VDA)は5月29日、短期的には公共の充電施設の拡充、その次のステップとして私有地での充電設備を増やすべく、設置認可などの手続き簡素化が必要とする勧告を発表した。交通分野で電気を含む代替燃料導入を促進するためのインフラ整備の要件を定める代替燃料指令(2014年5月14日記事参照)を満たすためには、2030年までに、公共の充電設備として70万~100万カ所の通常充電ポイントと、7万~10万カ所の高速充電ポイント、プライベートの充電設備として800万~1,100万カ所の設置が必要だとしている。
(福井崇泰)
(ドイツ)
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