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欧州工作機械産業団体、2019年の需要見通し示す

(EU)

ブリュッセル発

2019年06月20日

欧州工作機械工業連盟(CECIMO)は6月18日、世界の工作機械・工具市場全体に占める同連盟傘下の欧州企業の供給シェア(2018年)が35%に達したとの推計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを、スイス・リュシュリコンで開催した年次総会で明らかにした。連盟には欧州(EU、EFTAおよびトルコを含む)に所在する約1,500社が参加しており、傘下企業の2018年の売上高は275億ユーロで前年比9%拡大した。ただ、連盟は「国際貿易の停滞や景況感の減退が欧州メーカーにとって深刻な下振れリスクになり得る」と警鐘を鳴らしている。

AI導入に伴う技能ミスマッチの問題も議論に

同連盟の推計によると、2018年の世界の工作機械・工具の生産額は、中国、ブラジル、トルコ、カナダなどでの生産減を背景に、1%程度の成長にとどまり、797億ユーロだった。2019年の欧州市場に関しては、2018年の地政学的不透明性に伴う世界貿易の停滞など(2019年5月22日記事参照)を背景とした景気減速が響き、米国、アジアと比較しても、緩やかな成長にとどまると予測する。

貿易についても、同連盟会員企業の2018年の輸出額は217億ユーロだったが、伸び率は2017年の9.5%から2018年には8.4%に落ち込んだ。連盟は、米国のトランプ政権の追加関税措置は中国産品に向けられたものだが、欧州自動車産業の事業展開にもリスク(2019年6月6日記事参照)になる点を指摘。さらに、欧州メーカーの域外の主要輸出市場である中国、米国、メキシコ、ロシアに関わる通商摩擦を背景として、世界の工作機械・工具貿易額の伸び率は、2017年の9.5%から2018年には6.9%に減速したと指摘する。

同連盟は、欧州域内の工作機械・工具需要は2018年に前年比11.8%増の180億ユーロとなり、2019年に1%増、2020年には4.2%増と着実なペースで拡大を続けると見込んでいる。こうした状況で、欧州の工作機械・工具企業にとっての最大のリスクは、前述の地政学的リスクやサプライチェーン断絶に伴う貿易停滞だと総括する。

年次総会では、EUを取り巻く政策課題、特に「人工知能(AI)の導入と、これに伴う生産現場の技能ミスマッチの問題」についても協議した。同連盟は、AI導入をめぐる「人材育成」「社会的信頼醸成」などの課題(2018年12月10日記事参照)は多面的で複雑であり、産業構造の変化に欧州の労働者が適応できるよう、EUは技能教育改革などを進める必要があるとしている。

(前田篤穂)

(EU)

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