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ジョージア・ロシア間の直行便が停止へ、通貨ラリは過去最安値を記録

(ジョージア、ロシア)

タシケント発

2019年06月28日

ロシア運輸省は6月22日、7月8日からジョージアの航空会社よるロシア領域の飛行を禁止することを決定し、ジョージア側に通知した。6月21日にはプーチン大統領が、ロシアの航空会社によるロシアからジョージア向け航空旅客輸送を7月8日から禁止する大統領令を出しており、同日から両国の航空会社による直行便旅客輸送が停止する。

問題発生の原因は、議会交流のためジョージアを訪問していたロシアの下院議員が、ジョージア国会の議長席に座りロシア語でスピーチを開始したことにある(注1)。ロシアはジョージアと、同国のアブハジア、南オセチアをめぐり対立関係にあることから、同議員の行動に反発したジョージアの政党支持者や市民が、首都トビリシ市内中心部で抗議活動を実施。これに対しロシア側は7月8日以降、a.ロシアの航空会社によるジョージア向け航空旅客輸送の禁止、b.ジョージアの航空会社よるロシア領域の飛行を禁止する対抗措置を決定した。その理由として、a.について、ジョージア国内でロシア人旅行客の安全性を確保できないこと、b.についてジョージアの航空会社によるロシア当局への債務滞納(注2)と航空輸送の安全性を理由に挙げている。ジョージアのサロメ・ズラビシビリ大統領とロシアのドミトリー・メドベージェフ首相は互いを非難しており、7月8日までに事態が好転するかは見通せない状況だ。

両国間では現在、ロシア側はアエロフロート、パベダ、S7、ウラル航空、レッド・ウィングス、ノルドアビアが、ジョージア側ではジョージア航空、マイウェイ航空が直行便を運航している。両国の航空会社による乗り入れが禁止されれば(注3)、ロシア人旅行客はアルメニアやアゼルバイジャンなど第三国経由で、ジョージアに入国することになる。ジョージアとロシア間では観光分野を中心に旅客数や投資が拡大しており(2018年7月2日記事参照)、ロシア人旅行客の渡航の利便性低減によるジョージア経済への影響を懸念する声もある。ジョージアの通貨ラリは6月26日時点で1ドル=2.8333ラリと過去最安値を付けており(図参照)、問題が長引けば、輸入販売などの分野にも影響が及ぶ可能性がある。

図 ジョージア・ラリの対ドルレート

一方、トビリシで日本からの旅行客を多く受け入れる現地旅行会社の代表は、ジェトロのヒアリング(6月26日)に対し、a.抗議活動は限定されたもので、現地での観光ルートには全く影響がない、b.ジョージアにはモスクワ経由ではなく、中東(ドバイ、イスタンブールなど)経由で入国することが多いことから、日本との間で影響はほとんどない旨を述べている。

(注1)同議員は、ジョージア側招待者により議長席に案内されたと説明している。

(注2)ジョージア航空は、債務滞納の事実を否定している。

(注3)2008年8月に起きた南オセチア戦争(ロシア・ジョージア戦争)の際にも、2010年8月まで両国間の直行便が飛行禁止となった。

(高橋淳)

(ジョージア、ロシア)

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