第1四半期の家電販売、価格高騰で販売台数は大幅減

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年06月18日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は5月27日、2019年第1四半期(1~3月)における家電製品の売り上げ調査結果PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。102社の家電販売店に対し行われたこの調査によると、調査対象となった製品の販売台数は、エアコン設備を除き全ての品目で前年同期比でマイナスとなった(表参照)。

表 家電製品販売台数

販売台数の落ち込みが最も大きかったのは、GPS(前年同期比79.6%減)だった。続いて、ビデオゲーム機器および付属品(76.4%減)、デジタルカメラ(74.7%減)、オーディオ機器(67.8%減)、携帯式オーディオ機器(iPod・mp3・mp4・mp5など、64.9%減)、コンピュータ(58.3%減)なども大幅に減少。冷蔵庫や洗濯機といった白物家電は2~3割減となった。

売上額でみると、前年同期比0.2%減の224億8,460万ペソ(562億1,150万円、1ペソ=約2.5円)だった。売上台数が大幅に落ち込む中、売上額の落ち込みがわずかだったのは、通貨切り下げやインフレによる販売価格の上昇が影響している。コンサルタント会社ダートス・クラロスによると、1~3月の家電販売価格はそれぞれ前年同月比32%、42%、45%のペースで値上がりした。

販売価格の高騰に加え、金利上昇による割賦販売の不振も販売台数減少の要因となっている。アルゼンチン中央銀行によれば、第1四半期の個人ローン額は月平均で3.5%減、クレジットカード決済額は2.6%減となった。また、民間金融機関の個人向け貸付額は前年同期比マイナス3.8%だった。

INDECの調査結果を踏まえ、コンサルタント会社エコラティーナは、今後数カ月間は消費の低迷が続くとしており、実質賃金が回復し高止まりする金利が下がらなければ、2019年中の家電販売の回復は難しいとしている(「アンビト・フィナンシエロ」紙5月27日)。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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