部分水素添加油脂、2021年6月から製造・販売など禁止へ

(シンガポール)

シンガポール発

2019年06月18日

シンガポール保健省(MOH)は6月6日、トランス脂肪酸の主原料となる部分水素添加油脂(PHOs)を含む食品の製造、輸入、販売が2021年6月から禁止となると発表した。シンガポール国民の健康増進の一環で、既存の1製品当たり2%を上限とするトランス脂肪酸の含有規制に代わるもの。

食品製造業者は2021年6月から、製造過程でPHOsが含有しないよう保証することが義務付けられ、輸入業者、小売業者については、製品にPHOsが含有されていないかを確認することが義務付けられる。また、全ての食品製造、輸入、小売業者は引き続き、製品の包装に全ての原材料を明記する必要がある。今後、速やかな規制導入に向けたガイドラインが設定されるほか、「食品販売法」を改正し、PHOs規制を盛り込む予定。

また、MOHの2021年6月の規制開始に先駆け、国内大手製造3社、小売り3社の計6社はPHOsの含有規制を自主的に実施する。これら6社は、ガーデニア・フーズ、ネスレ・シンガポール、サンシャイン・ベーカリーズ、NTUCフェアプライス、プライム・スーパーマーケット、シェンション・グループ。

トランス脂肪酸は食品の風味や食感、保存期間を高める一方、心臓病や脳卒中などのリスクが問題視されている。同様の規制を実施している国として、米国やカナダ、周辺国では2019年1月に導入したタイ(2018年8月24日記事参照)が挙げられる。

(南原将志)

(シンガポール)

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