2018年はユーロ圏と米国向けの投資が増加

(ドイツ)

ベルリン発

2019年06月24日

ドイツ連邦銀行の5月30日の発表によると、2018年の対外直接投資は前年比約8%増の1,326億7,100万ユーロだった(表参照)。

表 ドイツの国・地域別対外直接投資<国際収支ベース、ネット、フロー>

国・地域別にみると、EU域内向けは前年比約9%増の911億4,600万ユーロで、うち、ユーロ圏への投資は844億9,600万ユーロだった。オランダ向けは前年比約63%増の273億2,900万ユーロで、ドイツにとって最大の投資先となった。アイルランドへの投資は前年の約13倍と大幅増の195億8,400万ユーロとなった。前年は最大の投資先だったルクセンブルクは153億3,800万ユーロと、前年の約半分の水準にとどまった。

非ユーロ圏向けは前年の4割を下回る66億5,000万ユーロにとどまった。うち、英国向けは58億6,600万ユーロの引き揚げ超過に転じた。一方、スウェーデン向けは前年の約21倍の55億6,800万ユーロを記録した。中・東欧では、チェコ向けへの投資が加速し、前年比約18%増の22億2,800万ユーロだった。チェコ向けの案件としては2018年1月、自動車大手のBMWがドイツ国境に近い西部のソコロフにテストコースの建設を開始する動きがあった。

北米向けは前年比約20%増の213億3,000万ユーロだった。うち、米国向けは204億2,400万ユーロで、ドイツにとってオランダに次ぐ投資先となった。米国向けの案件としては、自動車部品のエルクリンガーが2018年3月、インディアナ州フォートウェインに新工場設立の発表をするなどの事例があった。

アジア大洋州への投資は、前年比約37%減の70億4,900万ユーロだった。うち、中国向けは10億6,000万ユーロと同地域で最大の投資先となったものの、大幅に減少し、前年の約20%の水準にとどまった。日本向けは7億4,500万ユーロの引き揚げ超過となり、2017年に続いての引き揚げ超過となった。

(油井原詩奈子)

(ドイツ)

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