エチオピアで大学入試などの受験シーズン、インターネット遮断に注意

(エチオピア)

アディスアベバ発

2019年06月13日

エチオピアの高校就学4年間の中間試験に当たる全国統一試験が6月10日から始まった。試験2日目の11日午前10時~午後3時半ごろ(現地時間)までインターネットが不通となり、進出日系各社から、営業時間内のインターネット遮断に落胆の声が出ている。インターネットは同日夕方に復旧したが、午後9時過ぎから再び不通となり、6月12日朝の時点で遮断が続いている。政府などから正式な声明はないが、試験の影響とする見方が多い。

高校中間試験は6月10~12日、高校卒業試験(大学入試)が6月13~18日、小学校卒業試験(中高校入試)が6月19~21日に実施される。試験期間を勘案すると最長で21日までインターネットが使えない可能性がある。電子メールも利用できないため、商談や出張手配など、商業活動にも広く影響する可能性があり、注意が必要だ。当地で契約する携帯電話には6月8日、試験を管轄する国家機関から、試験期間の通知と受験生を激励するSMS(ショート・メッセージ・サービス)が一斉配信されていた。

2016年には高校卒業試験の問題漏えいを受けて全国的にインターネットが不通となり、2017年も同様の措置が取られた。国内外の批判を受けて、2018年は通常どおりインターネットは利用可能だった(2018年6月4日記事参照)。2019年はSMSで事前に試験期間が一斉に通知されたこともあり、インターネット不通が予想されたが、試験初日は通常どおり接続できており、安堵(あんど)する声も上がっていた。

ジェトロが6月11日に通信会社のエチオテレコムに確認したところ、復旧時期は未定。ただ、試験がない土日にインターネットが復旧する可能性はある。当地では計画停電(2019年5月29日記事参照)も行われており、試験前からインターネットがつながりにくい現象もみられた。エチオピアとの連絡は、インターネット以外にも電話やFAXなどあらゆる手段で辛抱強く続けることが大切だ。現地に支社・駐在所を持つ日系企業の本社も、事業継続に柔軟な対応が求められる。

(関隆夫)

(エチオピア)

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