計画停電を7月7日まで実施予定、外貨繰りへの影響も懸念

(エチオピア)

アディスアベバ発

2019年05月29日

エチオピア水・灌漑・エネルギー省は5月17日、主電源である水力発電所のダム水位低下を理由に、計画停電の実施を公表した。停電時間帯は午前5時~午後2時と、午後2時~午後10時で、毎日時間帯が入れ替わる。日によっては、午後2時からの24時間で深夜早朝(午後10時~午前5時)しか電力が供給されない事態が生じるなど、日常生活への影響は大きい。計画停電は少なくとも7月7日まで継続される見込みで、これから始まる雨期の降雨量に合わせて、短縮または延長の可能性がある。

経済活動や安全面への配慮から、輸出型製造業や食品加工業、医療機関などは計画対象から除外される。電力の大口需要家とみられるセメント製造業は月に15日間のみ供給、鉄鋼業は1日おきに供給となる。

エチオピアはジブチとスーダンに、年間1億8,000万ドルの電力を輸出している。エチオピアへの依存が大きいジブチ向けは半減、スーダンは一時停止するという(「フォーチュン」紙5月19日)。また、計画停電に合わせて、企業や住宅などで自家発電機の使用が増えるとみられる。停電が長期化すれば、輸出減少など外貨繰りへの影響、輸入に依存する発電用燃料の品薄なども懸念される。

(山下純輝)

(エチオピア)

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