ロシア人の68%がプラスチック製袋を使用

(ロシア)

モスクワ発

2019年06月07日

世界中で廃プラスチックの動きがみられる中、ロシアにおいてもプラスチック製品の使用制限について、政府や業界団体で議論されている。全ロシア世論調査センター(VCIOM)は6月5日、ロシア人によるプラスチック製袋の使用に関する調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。調査は6月2日に、18歳以上のロシア人1,600人を対象に電話インタビュー形式で実施された。

同調査によると、店で商品を購入する際に使用する袋について、「プラスチック製袋」68%、「手持ちのカバンやリュックサック」18%、「布製袋」9%、「紙袋または包装紙」3%、「その他」2%の割合だった(図参照)。性別では男性がよりプラスチック製袋を使用する傾向にあり、年齢別では35~44歳の年代の割合が最も高かった。

図 店で商品を購入する際に使用する袋について

プラスチック製袋の買い物時の再利用については、「常に再利用する」25%、「時々、再利用する」41%、「常に新しい袋を利用する」32%、「プラスチック袋を全く利用しない」2%だった。再利用する理由(複数回答可)は、「節約」29%、「環境保護」27%、「再利用できるため」25%、「常に所持しているため」12%が上位に挙げられた。

今後、プラスチック製袋の使用の拒否または削減する可能性については、「完全に拒否する可能性がある」39%、「時に拒否し、使用を減らす可能性がある」46%、「使用を減らす可能性がない」13%、「回答困難」2%で、85%の回答者がプラスチック製袋の使用を拒否または削減する意思があることが分かった。また、回答者の70%がプラスチック製袋の使用の拒否や削減が環境の改善につながると信じている。

ロシアでは、以前からプラスチック製レジ袋の有料制は一般的だが、最近では代替品としての紙袋の使用やプラスチック製袋の使用拒否を促す広告を出すなど、環境保護に向けた民間企業による自主的な取り組みが行われている。ロシア小売り最大手X5グループはジェトロのインタビュー(6月3日)に対し、「業界最大手の立場としての社会的責任のため、プラスチック製袋の使用削減などの環境保護への取り組みに努めている」と答えた。なお、プラスチック製袋の使用を制限する法律はまだロシアに存在しない。

写真 プラスチック製袋の使用拒否を促すキャンペーン広告(ジェトロ撮影)

プラスチック製袋の使用拒否を促すキャンペーン広告(ジェトロ撮影)

(戎佑一郎)

(ロシア)

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