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ハイクベンチャーズはディープラーニングや人材に将来性見込む、カナダのAI分野

(カナダ)

トロント発

2019年06月25日

ジェトロは6月11日にトロントで開催した「カナダIT投資・イノベーションセミナー」のパネルディスカッションの中で、米国サンフランシスコに拠点を置きながら、カナダの人工知能(AI)分野のスタートアップへ多くの投資を行っているベンチャーキャピタル(VC)、ハイクベンチャーズのゼネラルパートナーの安田幹広氏に、投資先としてカナダに注目する理由について話を聞いた。

(問)米国西海岸に拠点を置きながらカナダへ注目する理由は何か。

(答)当社は、AIを活用して具体的な課題を解決しているスタートアップを対象としたファンドを運営しているが、カナダに注目する理由はまず、ディープラーニングが生まれた土地柄と、AI人材が豊富なことだ。また、トロント、モントリオール、エドモントンを中心にAIの研究開発(R&D)センターやスタートアップハブ、アクセラレーターを中心としたエコシステムが出来上がっている点も挙げられる。さらに、最近は(米国の)シリコンバレーのVCもカナダ企業への投資に積極的なことや、米国と比べて会社の評価額がリーズナブルなため、イグジット(投資資金回収)する時のリターン率が高いことも大きな魅力だ。米国のスタートアップについてはテック系メディアのTechCrunch(テッククランチ)などで情報がたくさん見つかるが、カナダはまだまだなので、早めに参入した方がよいと考えた。

(問)カナダのスタートアップの特徴をどうみているか。

(答)AI分野、サイエンスベースのスタートアップが多く、また米国をはじめとしたグローバル市場を最初から意識しているところが多いと感じる。

カナダには、税制優遇を中心とした国や地方政府からのサポートの恩恵を受けている会社も多い。グーグル、フェイスブック、ウーバーといったシリコンバレー企業がカナダの主要都市でAIの研究センターを立ち上げており、シリコンバレーとの交流もかなりあるようにみている。トロント大学のクリエイティブ・ディストラクション・ラボ(CDL)のように、米国からグローバル・シリアルアントレプレナー(連続起業家)をメンターとして誘致しているアクセラレーターも出てきており、起業家の目線はシリコンバレーに近づいている。

(問)カナダのスタートアップが持つテクノロジーについてはどうか。

(答)AIの応用に関して、ユニークな企業が多い。外部からの資金調達を行う前に、政府などからの補助金などを活用し、技術的な課題を解決している場合が多いようだ。

また、さまざまな業界においてオープンイノベーションが発達しているため、他都市や米国を含む海外に出る前に、まずカナダ国内の主要都市において市場実験してみることが可能だ。

(問)カナダでの投資を進めるに当たり、障害となったことなどはあるか。

(答)特にない。投資契約も米国と同じ内容だ。こちらからできることとしては、相手が組みやすいように、課題ややりたいことを明確にすること、そして予算をあらかじめ用意して意思決定を早くすることが、海外のスタートアップとの協業をスムーズに進めるコツではないかと思う。

写真 カナダを投資先として注目する理由を語る安田幹広氏(ジェトロ撮影)

カナダを投資先として注目する理由を語る安田幹広氏(ジェトロ撮影)

(江崎江里子)

(カナダ)

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