2018年はユーロ圏とアジア大洋州からの投資が増加

(ドイツ)

ベルリン発

2019年06月24日

ドイツ連邦銀行の5月30日の発表によると、2018年の対内直接投資額は前年比19.8%増の891億5,100万ユーロとなった(表参照)。

表 ドイツの国・地域別対内直接投資<国際収支ベース、ネット、フロー>

国・地域別にみると、EU域内からは前年比約16%増加の719億3,600万ユーロで、うちユーロ圏は759億9,200万ユーロだった。オランダからの投資は485億3,700万ユーロと前年比で約1.7倍となり、前年に引き続き最大の投資国となった。一方、フランスからは17億6,600万ユーロと前年の約20%の水準にとどまった。ベルギーからは1億3,700万ユーロと2017年の引き揚げ超過から持ち直した。非ユーロ圏からの直接投資は40億5,600万ユーロの引き揚げ超過に転じた。うち、英国からが40億200万ユーロの引き揚げ超過で、スウェーデンからの投資も32億8,400万ユーロの引き揚げ超過に転じた。

北米からは、前年比約36%減の34億9,500万ユーロだった。うち、米国からは37億1,100万ユーロで、EU域外では2017年に引き続き最大の投資国だった。米国からの案件として、自動車部品メーカーのワブコが2018年8月、約3,000万ドル投資し、ハノーファーに研究開発施設を開設した事例があった。

アジア大洋州からの投資は前年比約23%増の29億1,600万ユーロだった。そのうち、韓国からが前年の約6.5倍の12億8,100万ユーロと大幅に増加、香港からも前年比約70%増の9億6,800万ユーロと大幅増だった。中国からは7億700万ユーロと2017年の引き揚げ超過から持ち直した。中国からの案件として、通信設備メーカーの華為技術(ファーウェイ)が2018年11月、ボンに情報セキュリティーに関する研究所を開設すると発表した事例が挙げられる。

ドイツ貿易投資促進機関(GTAI)によると、2018年の外国からの投資案件数は前年比1,079件増の4,914件で、このうち、拡張・移転を含めたグリーンフィールド投資件数は前年比152件増の2,062件だった。国別でみると、米国からのグリーンフィールド投資件数が345件と最多、次いでスイスからが229件、中国からが188件と続いた。M&A案件数は前年比927件増の2,852件となった。

日本からは5,600万ユーロの引き揚げ超過に転じた。GTAIによると、2018年の日本からのグリーンフィールド投資案件は前年比1件増の80件だった。

(油井原詩奈子)

(ドイツ)

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